調査報告と降格・減給処分
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「日本ボクシングコミッション事件」の記事における「調査報告と降格・減給処分」の解説
2011年6月27日、安河内は谷口同席の下でB1から、安河内を本部事務局長から平職員に降格し、代わってB4を本部事務局長とすること、給与の減額、国際業務をはじめとするそれまでの業務からの排除、他の事務所への配置転換など、翌日の理事会で決議される処分の内容等を知らされた。安河内はB1に対し、怪文書や通告書に記載されているような不正行為は一切行っていないこと、国際業務や暴力団排除を含む社会貢献活動など自分がこれまで取り組んできた業務の必要性や重大性を訴え、考え直してほしいと要請した。配置転換に関しては前例がなく、配置転換するような事務所もなく、またA1やA2に累が及ぶことを心配したためである。しかしB1がこれを聞き入れなかったため、安河内はB1に対し、「怪文書の件以降、JBCがガバナンス機能を失ってきた。今後、この騒動が不必要に拡大していった原因を調査し、その原因を作った職員らに対してしかるべき処置をしてほしい。」と依頼し、退出した。 調査委員会は最終報告書をまとめ、「一部、部下への接し方に行き過ぎがあった」ものの怪文書の内容は事実ではないと結論づけた。同委員会は1か月以上にわたって会計帳簿等の経理関係書類を精査し、関係者からの事情聴取など綿密な調査を行った結果として、(1) 不正経理を通じて横領行為や背任行為に及んだとする事実、(2) 情実により権限を濫用して女性職員を不正に採用した事実、(3) 本部事務局員の女性職員に対し程度を越えて親密に接し事務局長としての体面を汚した事実、(4) 執務上の職務を懈怠し、または職場を離脱したり職務を放棄したとの事実はいずれも認められないとし、安河内については今後、JBCの国際化等に向け、組織の発展に尽力させることが望ましいとの見解を示した。さらに調査報告書の付言として、調査の過程でJBCの組織および内部統制の脆弱性を示す事象がいくつか認められたので今後JBCで改善を図るべきとされた。この調査結果について『ボクシング・ビート』2011年8月号は「パワハラについては認定したのである。この点は意外だったが、他は大体想定内の結論である。」と印象を伝えている。 6月28日に開かれたJBCの臨時理事会では谷口が調査報告書の内容について説明を行い、協議の結果、安河内を同日付でB1の名の下に事務局長職から正式に解任し、理事からも解任することが決議された。JBCは安河内に降格・減給処分を下すとともに、本部事務所と試合会場に立ち入らないよう要請した。同時にJBCは本部事務局で行われるすべてのミーティングから安河内のみを除外し、8月6日以降は本部事務局の職員全員が参加している業務連絡用のメーリングリストからも安河内のみを除外した。
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