計画区間と延伸構想
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 17:18 UTC 版)
「札幌市営地下鉄東豊線」の記事における「計画区間と延伸構想」の解説
東豊線計画の元になったのは、1974年3月に提出された報告書『最適交通体系の選択と投資順位の研究』で提案された四号線(元町 - 月寒間)である。 札幌市交通局が発案した「地下鉄50キロ計画」では、現在豊平区側の終点である福住付近から同じ豊平区の「共進会場駅」と「月寒東駅」、そして隣接している清田区の「北野駅」(当初は北野通と清田通の交点付近)まで延伸する計画が提示された。福住延伸開業時に設置された東豊線各駅ホームの壁にある路線案内図では、福住駅より先に2駅程度の空白が設けられているものの、未だ実現には至っていない。なお福住駅の設置が、当初の月寒中央駅側よりも清田寄りの位置になってしまったため、駅間距離の近い「共進会場駅」は不可能に近くなった一方、終端側の引込線は北野通に向け北にカーブしかけた所で終わっており、福住駅から国道36号線をそのまま南下するにも大規模な再工事を要するか、あるいは不自然なカーブで国道の真下に戻ることになる。国道36号線の南進による「札幌ドーム駅」(後述)・「東月寒駅」・「北野駅」(上記予定地とは異なる)を経て「清田駅」(北野通と厚別滝野公園通の交点、清田区役所付近)まで延伸する案も2001年に答申されたものの、実際の延長路線のルートや計画は未定であり、開業の見通しはまったく立っていない。なお札幌市は、11万人程度である清田区の人口が将来、増加し20万人を超えた場合の開業を検討している。また2009年時点では公共交通機関の利用者が低迷している中で、新たに膨大な投資を必要とする地下鉄についてはなかなか厳しい判断をせざるを得ないとの考え方が示されている。 2011年の札幌市総合交通計画策定委員会第5回で提示された「清田地区の公共交通機能向上に関する検討」においては2001年の答申案のルート4.2kmの建設で2030年の利用人員を1日43,900人・総事業費約835億円の概算で30年間以内の黒字化は困難と判断しており、2012年の総合交通計画で延伸計画は盛り込まれず、清田区の人口減少もあり2020年の改訂版では「事業採算性などを勘案した慎重な検討が必要」と追記される程度にとどまっている。 このほか札幌商工会議所の要望案として2005年に札幌競馬場を札幌ドームの南側80-100ヘクタールの敷地に拡張移転させドーム化し、合わせて東豊線を福住駅から1.2km延伸し「ドーム・札幌競馬場駅」を設ける案を打ち出し地下鉄延伸工事費に300億円を見込んでいたが、日本中央競馬会 (JRA) は移転について慎重な姿勢を示し、現在地で引き続き開催・場外発売を行っている。 その後、2012年には北海道新幹線の札幌駅延伸を見据えて札幌商工会議所が札幌市などに提言した「札幌広域圏の総合交通体系のグランドデザイン〜北海道新幹線開業時期の前倒しへ〜」の中で、丘珠空港の滑走路をジェット旅客機も発着できるように延長した上で東豊線を丘珠空港まで延伸させ空港アクセス線として用いる案が盛り込まれた。
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