解析値と風速の関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/09 16:04 UTC 版)
風速は中心気圧との関係があり、ドボラック法でT値、もしくはCI値が得られれば、関係表から推定風速を求め、その風速から理論上の計算式から推定される中心気圧を推定することが出来る。グラフは、関係する書籍で明示されている値を基にグラフ化したものである。北太平洋と北大西洋で同じ風速であっても、太平洋側が気圧が深くなること知られている。一方、南太平洋やインド洋では具体的な値は示されていないが、インド洋南西部を管轄するフランス気象局は、インド洋南西部では北太平洋の値に近いとされる関係図を示している。いずれにしても、気圧の値は地域によって異なることから、WMOのガイドブックでは風速の値で検討するようにしており、そのためのCI値との比較諸表が用いられる。風速の推定値は1分間平均風速が使用される。この違いがあり、公表される警報や解析・評価の情報に違いが生じる。 CI値から、中心付近での風速や気圧を推定するグラフ。 CI値ABCDEF備 考0.5 ** ** ** ** ** ** この値の判断基準は、解析機関によって異なる 1.0 25 22 22 20 ** 23 この値の判断基準は、解析機関によって異なる 1.5 25 29 22 25 25 23 2.0 30 36 26 25 30 27 2.5 35 43 31 30 35 31 3.0 40 50 40 35-45 45 41 3.5 50 57 48 50 55 49 4.0 60 64 57 55-60 65 59 4.5 72 71 68 70-75 77 69 5.0 85 78 79 80-85 90 81 5.5 97 85 90 90-95 102 92 6.0 110 93 101 100-105 115 103 6.5 122 100 112 110-115 127 114 7.0 135 107 123 120-125 140 126 7.5 150 115 136 130-145 155 139 8.0 170 122 150 150< 170 153 X(CI値) --- --- --- --- --- --- 温帯低気圧にて使用 表2 CI値と推定される中心付近の風速値 表中のアルファベットA Dovorak 1984による推定される中心付近の風速(1分平均 knot)B コバによる10分平均風速値 日本で使用されるほか、アメリカでも妥当値とされる値(10分平均 knot)C ラ・レニオン(フランス気象局)が追跡した2000-2009年による中心付近の風速(10分平均 knot)警報でも用いられる。D オーストラリア気象局が、熱帯低気圧の解析で用いる推定風速(10分平均 knot)幅があるが、実際に警報でも盛り込まれることがある。E 中国気象局(CMA)が用いる、中心付近の推定風速(2分平均 knot)F 香港気象局が用いる、中心付近の推定風速(10分平均 knot) 風速の推定をさらに高めるため、解析機関によっては、ウィンドベクトルを併用する等の工夫が行われている。アメリカでは、衛星観測だけでなく、気象偵察機によって熱帯低気圧の渦の中を貫通するなどして、警報の信頼度を強める様な観測体制を整えている。また、ウィンドベクトルも他国と異なり、3時間毎に割り出して公表するなど、最新情報を使用して解析し結果に反映させるようにしている。
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