裁判官グループ委員選挙とは? わかりやすく解説

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裁判官グループ委員選挙

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 07:43 UTC 版)

ニセ電報事件」の記事における「裁判官グループ委員選挙」の解説

1947年6月17日片山内閣裁判官任命諮問委員会15人中4人の委員が「全国裁判官から互選された者4人」として選出されることになった委員互選単記無記名投票で行うこととされ、事務管理するために首相所轄の下に、6人の委員による全国選挙管理委員会設置した6月21日には選挙期日7月10日決められた。 裁判官委員選挙では有権者は1250人いた中で、4つ委員ポスト細野派宮城実(最高裁判所判事代行・元大審院判事)、中間派の坂野千里東京高等裁判所長官代行・元東京控訴院院長)、反細野派藤田八郎大阪高等裁判所長官代行・元大阪控訴院院長)、反細野派岩松三郎福岡高等裁判所長官代行元福岡控訴院院長)、反細野派垂水克己仙台高等裁判所長官代行・元仙台控訴院院長)、反細野派島保最高裁判所判事代行・元大審院判事)の計6人が争う構図となった。 反細野派である東京最高裁判所判事代行たちが全国飛んで、反細野派投票するように説得した。また反細野派によって細野中傷する怪文書有権者である裁判官のもとへばら撒かれた。 そんな中選挙戦終盤7月7日に反細野派長野潔と谷中薫(ともに東京高等裁判所判事)が「坂野控訴院院長 諮問委員たる意思なし 院長了解にて打電す」と坂野立候補辞退をする旨の電報打たれた。選挙には細野派、反細野派すさまじ対立の中で中間派の良識として坂野擁立されており、坂野怪文書が出る選挙について「ずいぶんとひどいことが起こっている」と考えていたが、この電報については了解していたものではなくニセ電報であった。この電報電話事情悪いこと計算入れて投票日3日前に打電しており、発信元長野民事事件担当谷中刑事事件担当と、いかにも坂野から出馬取りやめの相談あったようにみせかけて至急報の形がとられた。この電報東京高裁管内の全地裁大阪名古屋福岡広島仙台札幌高松の各高裁打たれ浦和地方裁判所では所長電報公文書扱いにして判事全員閲覧したほど、電報影響力大きかった7月10日投票終わって7月18日開票が行われて、以下の結果となった島保(反細野派) - 298票(当選垂水克己(反細野派) - 230票(当選藤田八郎(反細野派) - 214票(当選岩松三郎(反細野派) - 213票(当選宮城実(細野派) - 195票(落選坂野千里中間派) - 27票(落選落選した2人のうち、細野派宮城固定票だったが、組織はないが人気があった坂野惨敗ニセ電報なしには考えられなかった。この選挙結果受けて細野派では「坂野謀略にあわなければ大量得票間違いなく細野派藤田岩松の票が減って代わりに坂野中間派)と宮城細野派)が当選しただろう」と分析している。そうなれば裁判官任命諮問委員会性格変わったが、反細野派謀略によって、細野派意向反映されないこととなった。 この謀略発覚したのは投票から9日目のことで、細野派根本最高裁判所事務総長代行東京高裁判事長野潔を電信法違反容疑東京地方検察庁告発した。この告発東京地検捜査によって不起訴となり、これを不服とした抗告した東京高検でも不起訴となって終結した7月28日裁判官任命諮問委員会決定した30人最高裁裁判官候補細野派は残ることができず、最高裁裁判官なれないことが決まった戦い敗れた細野宮城細野派中心人物8月裁判官の職を辞した一方で、反細野派として諮問委員会委員になった島保藤田八郎岩松三郎1947年8月初代最高裁判事となった

※この「裁判官グループ委員選挙」の解説は、「ニセ電報事件」の解説の一部です。
「裁判官グループ委員選挙」を含む「ニセ電報事件」の記事については、「ニセ電報事件」の概要を参照ください。

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