裁判官の量刑と法的安定性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 07:45 UTC 版)
「量刑相場」の記事における「裁判官の量刑と法的安定性」の解説
裁判官が個別の事情のみを考慮して量刑を行った場合、処断刑の範囲が広いこととあいまって、同じような罪名、同じような態様によって行われた犯罪であっても、量刑は大きくばらつくことになる。たしかに、裁判は個別具体的な事情をもとにした判断であるから、その結果下される量刑がばらつくことは当然とも解される。しかし、司法の判断には、結果の公平、法的安定性も求められることから、同じような罪名、同じような態様によって行われた犯罪ならば、同じような量刑が期待される。したがって、裁判官は、個別の事情のみならず、過去の裁判例の量刑に関する資料(一部は電子的にデータベース化されている。)も参照して、量刑を行うこととなる。こうして、裁判例をもとにした個別の量刑が、また裁判例となってフィードバックされ、量刑相場が形成されてゆく。 さらに、裁判官は数年ごとに全国的に転勤するため、日本中の刑事裁判における量刑がならされ、量刑相場も日本全国で統一的に運用されることとなる。
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