著作権侵害問題・刑事告訴事件
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「ハイスコアガール」の記事における「著作権侵害問題・刑事告訴事件」の解説
この節には、一部のコンピュータや閲覧ソフトで表示できない文字(囲み文字)が含まれています(詳細)。 2014年8月5日に本作に関する著作権侵害の疑いで発行元であるスクウェア・エニックス本社などが家宅捜索を受けたことが報道によって判明した。 2013年の夏ごろ、本作のアニメ化を請け負った映像制作会社が劇中に登場しているゲームの著作権者の一社であるSNKプレイモア(当時、2016年12月に「SNK」へ社名変更)に本作について問い合わせたことをきっかけに、許諾を得ずにゲームキャラクターが登場していたことが判明した。そのため、SNKプレイモアが2014年の5月に大阪府警に刑事告訴していたという。同年8月6日、SNKプレイモアはこの件について「なんら誠意ある対応がなかった」とスクウェア・エニックスの告訴理由をコメントした。 著作権侵害の申立は問題が発覚した後から行われていたが、2014年Vol.1掲載の第34話にSNKプレイモアの著作物である『ザ・キング・オブ・ファイターズ'95』と『サムライスピリッツ』の2作品が劇中に登場し、さらに本作のアニメ化を発表している。発刊当時はSNKプレイモアによる申立中であり、後述の書類送検にてこちらも無許諾であったことがわかっている。作中に登場していた『桃太郎活劇』を制作していたさくまあきらの妻である佐久間真理子が自身のTwitterで、刑事告訴後にスクウェア・エニックスより無許諾でキャラクターを使用したことへの謝罪文が送られたと明らかにしており、他のメーカーに対しても無許諾でやっていたのではないかと語っている。なお、『桃太郎活劇』の著作権はハドソンが企業として消滅した2014年現在、親会社だったコナミデジタルエンタテインメントとさくまがそれぞれ保有している。 本作の単行本巻末では、「SPECIAL THANKS」として著作権表示の「©」マークと共に、SNKプレイモアを含む複数のゲーム会社名が記されていた。ただし、「©(企業名)」は、あくまでも「この企業が著作権を有する」という意味でしかなく、「特定の企業に対して許諾した」ことを意味する表示ではない。 なお、全てのメーカーが無許可だったわけではなくカプコン、バンダイナムコゲームスの2社は、本作でキャラクターの使用を正式に許諾しており、公式サイトではカプコンの『ウルトラストリートファイターIV』やバンダイナムコゲームス(旧ナムコ)の『源平討魔伝』といったゲームメーカーによる「公認コラボ企画」も紹介されていた。セガも正式に許諾しているが、後に連載後の事後報告だったため、厳重に抗議をした上での条件付きの許諾だったことが判明している。著作権表示は2014年時点で倒産しているメーカーのものも多々見られ、IPを2014年現在保有している企業名が表記されていないなど問題が多い。劇中に登場した『くにおくんシリーズ』はミリオン(当時。2015年6月以降はアークシステムワークスが保有)、『モータルコンバット』はワーナー・ブラザース、『ファイターズヒストリー』などのデータイースト作品はジー・モードが保有しており、各社とも単行本に表記されていない。2014年11月17日にカプコン・バンダイナムコゲームス・事後承諾のセガ以外の版権は全て無許諾で使用していたと報じられている。本作で名前が挙げられ、無許諾で使用されていたコナミデジタルエンタテインメントはコメントは控えている。 スクウェア・エニックスは「著作権を侵害したという認識はないが、お騒がせしているため回収する」として本作の単行本の自主回収と電子書籍版の発売停止を発表し、当初は継続するとしていた誌上での連載も一時休載すると発表した。 その一方で明治大学知的財産法政策研究所は、2014年12月22日に法学者や漫画研究者など26人の連名で「適法な引用(著作権法32条)に該当する可能性などがあり、著作権を侵害したというには微妙で、本件について刑事手続きを進めるとあらゆる表現活動に対し重大な萎縮効果をもたらし、憲法で保障された表現の自由に抵触し著作権法の目的である文化の発展を阻害することとなりかねず、慎重に進めるべきである」とする声明文を出している。
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