色絵花鳥文八角大壺〈伊万里/〉
主名称: | 色絵花鳥文八角大壺〈伊万里/〉 |
指定番号: | 2594 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 2000.06.27(平成12.06.27) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 工芸品 |
ト書: | |
員数: | 1口 |
時代区分: | 江戸時代 |
年代: | 17世紀 |
検索年代: | |
解説文: | 柿右衛門様式の色絵磁器は一七世紀中ごろ以降、オランダ東インド会社によってヨーロッパに輸出された。本作品も、かつてヨーロッパに輸出され近年里帰りしたものである。 共蓋で高さ六〇センチメートルを超す大作ながら、端正な形姿【けいし】を示し、柿右衛門様式で最も好んで用いられた花鳥文の図様が、濁手【にごして】に近い白の素地に、余白を残して、赤の上絵具を効果的に用い、青・緑・黄の上絵具で軽快かつ優美に描かれる。 瀟洒【しょうしゃ】な雰囲気をもつ洗練された色絵は、柿右衛門様式の完成・最盛期である延宝年間から元禄年間の作と考えられる。 本作品は、八角大壺という類例の少ない器形をなし、日本国内では最大の柿右衛門様式の製品で、同様式色絵磁器を代表する優品である。 |
色絵花鳥文八角大壺〈伊万里/〉
主名称: | 色絵花鳥文八角大壺〈伊万里/〉 |
指定番号: | 2570 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1996.06.27(平成8.06.27) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 工芸品 |
ト書: | |
員数: | 1口 |
時代区分: | 江戸 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 扁平な球状の鈕を有する整った半球形の蓋を伴う大型の八角色絵壺である。白磁質の素地に淡い青味を有する透明釉を掛ける。胴には二面ずつ用いて四方に窓絵を開け、樹木と太湖石、梅、鳥などの二種類の花鳥文を交互に余白をとって配し、間には亀甲繋ぎ、龍、鳳凰、菊唐草を描き赤と緑の上絵具を基調にして金彩を施す。蓋にも同様な文様を描く。 積出港よりその名が付けられた伊万里は、江戸時代初期に現在の佐賀県有田の地で日本で最初に磁器を焼造した有田焼の通称で、以後染付磁器を中心に青磁・白磁などを生産した。さらに十七世紀中ころ(一六四〇年代)には色絵磁器をも開発し、万治二年(一六五九)に始まるオランダ東インド会社による伊万里の大量買い付けにより大きく技術的発展を遂げ、十七世紀末の元禄年間には技術的にも様式的にも完成の域に達した。 本作品は、かつてヨーロッパへ輸出された伊万里色絵磁器で近年里帰りしたものである。共蓋で高さ七〇センチを越す大作ながら端正な器形を示し、赤と深い緑を主調とする色絵には、中国・明末から清初の南京赤絵の影響が認められる。また窓絵に見られる余白を十分に生かした構図は一六七〇から八〇年代の伊万里・柿右衛門様式に認められるものであり、本作品も同時期に製作されたと考えられる。謹直ながら行き届いた絵画的描写と巧緻で華やかな賦彩の上絵は優れた作行きを示し、最盛期色絵磁器を代表する優品である。 |
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