終末期旧石器時代の採集と農耕とは? わかりやすく解説

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終末期旧石器時代の採集と農耕

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/03 20:36 UTC 版)

テル・アブ・フレイラ」の記事における「終末期旧石器時代の採集と農耕」の解説

テル・アブ・フレイラ遺丘の下から見つかった終末期旧石器時代(続旧石器時代)の住居跡(アブ・フレイラ1)は、今からおよそ11,500年前に成立し10,000年前頃まで続いた。おそらくレバント南部早くからいた終末期旧石器時代ナトゥーフ文化人が北東方面に当たるこの地に勢力拡大したとみられる集落少数円形住居から構成され、木や小枝等で作られていたと考えられる人口最大100人から200であった。この時期食料野生動物狩猟魚釣り野生植物の採集得ていた。住居地下には食物蓄えられていた。狩猟対象だった主な動物は、毎年この周辺移動するガゼルや、その他大型動物オナガーヒツジウシ等で、小形動物ではノウサギキツネ等を年中狩っていた。また採集されていた野生植物には、二種類野生ライムギ、アインコルン(einkorn、一粒コムギ一種ヒトツブコムギ)、エンメル麦(Emmer、二粒系コムギ一種)、ヒユ、その他レンズマメピスタチオなど野生の子実類があった。 一方13,050年前ライムギ耕作栽培証拠がこの遺跡から検出された。この時期は、最終氷期終わり温暖化向かっていた気候が再び急激な寒冷化を迎えたヤンガードリアスという寒冷期の始まりにあたり、この地域気候乾燥化によって野生動物野生ムギ類が減少し採集依存していた人々食糧確保のために農耕始めたとされている。この時代地層から出土したライムギ種子放射性炭素年代測定などで分析した結果終末期旧石器時代にはすでに野生種から栽培種となっていただろうこと明らかになった。なお、発掘者のアンドリュー・ムーアらは同遺跡から得られ証拠に基づき西アジアにおける農耕始まりヤンガードリアス期寒冷化が影響したとの仮説提示した

※この「終末期旧石器時代の採集と農耕」の解説は、「テル・アブ・フレイラ」の解説の一部です。
「終末期旧石器時代の採集と農耕」を含む「テル・アブ・フレイラ」の記事については、「テル・アブ・フレイラ」の概要を参照ください。

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