第29・30部のアナザーストーリー化とその解消
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「水戸黄門 (パナソニック ドラマシアター)」の記事における「第29・30部のアナザーストーリー化とその解消」の解説
長寿番組の宿命として、第28部までにも、制作上の都合によって、既婚者が独身に戻ったり、亡くなったはずの付家老が再登場するという、以前のシリーズとは矛盾する部分も生じてはいたものの、基本的には前シリーズの流れや設定が次のシリーズに受け継がれていた。 しかし、石坂浩二が主演した第29部は、光圀・助三郎・格之進以外の周辺の登場人物がすべて一新されたこともさることながら、水戸藩主だった光圀が権中納言を拝命し、隠居するところから話がスタートしている。しかも、第1部で光圀に斬られて死んだ藤井紋太夫までが再登場している。第30部までの石坂浩二主演シリーズはこの状況が続いていた。 しかし、里見浩太朗主演シリーズは、光圀、助三郎・格之進・疾風のお娟を除いて周辺の人物が一新され、28部までの雰囲気にシフトする路線として制作された。 続いて1000回記念スペシャルにおいて、(その時点では)石坂シリーズを含む各シリーズ登場人物を出演させたことで、第28部までのストーリーと第29部からのストーリーがクロスオーバーした。この回では風車の弥七、うっかり八兵衛、霞のお新、柘植の飛猿、さらに弥七夫婦の娘・お梅が、いずれも光圀らと久しぶりに再会するという描かれ方で登場した。さらに、お娟が飛猿に「飛猿、よく来てくれたね」と声をかけた。お銀とお娟を混同したような描写である。その一方で、石坂浩二主演シリーズのみのオリジナルキャラクターである次郎坊も登場して、光圀やお娟とやりとりしている。 その後のシリーズでもうっかり八兵衛がお娟に懐かしむ声をかける(名前では呼ばなかった)場面があり、あたかもお銀とお娟が同一人物であるかのような描写がなされていた。さらには第37部第11話から風車の弥七を内藤剛志が演じることで復活させ、水戸光圀の前に久しぶりに登場する描写が行われた。その際には、それまで劇中では接点がなかったお娟やアキ、更には同一作品に揃って登場すること自体がなかったおけらの新助とも既に知り合いであるかのように描かれている。 最終的には、少なくとも第29部をなかったことにして、疾風のお娟をかげろうお銀と同一人物と見なせば、東野英治郎から佐野浅夫までのシリーズのストーリーに戻った形になった。 また、第42部は、助三郎・格之進以外の主なキャスティングは第41部までのものを受け継ぎながらも、助三郎と格之進が一緒に光圀の供をするのは初めてという設定になった。それに伴い、それまで定番だった「道中では町人を装う」「印籠は格之進が預かる」などの要素も物語開始時点では決まっておらず、旅立つ前に話し合って決める描写がある。その一方で、第1話のみの登場となったお娟がそれまで長らく光圀に仕えていたことが語られるなど、従来の設定を窺わせる描写もある。 なお、上記の藤井紋太夫は最後の1時間枠となった第43部の第21話「嗚呼、人生に涙あり」(2011年12月12日放送)でも登場しており、光圀に手討ちにされる前の話に戻っていたと思われる。翌週の最終回スペシャルはその数年後の設定であった。
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