第2回鈴鹿8時間耐久ロードレース
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 05:20 UTC 版)
「吉村秀雄」の記事における「第2回鈴鹿8時間耐久ロードレース」の解説
8耐を優勝で終えたヨシムラは、横内の提案したフランスのポール・リカール・サーキットで行われるボルドール24時間耐久に出場することにした。GS1000を1100ccまでボアアップし、ウェス・クーリー、ロン・ピアースという体制でこれに臨んだが、序盤こそ3位につけていたがオルタネータを新たに装着したためバンク角が浅くなり、オルタネータカバーを破壊してリタイアに終わった。この時の優勝したチームは8耐でマシントラブルに見舞われたHERT率いるクリステャン・レオン、ジャン・クロード・シュマラン組であり、吉村は鈴鹿8時間耐久ロードレースのようにスプリントの要素を残す耐久レースとボルドールのような完全な耐久レースとではその戦略やマシンの方向性がまったく違うということを改めて思い知らされた。敗戦の悔しさもそこそこに、吉村はデイトナへ向けアメリカへの帰路に着いた。 1979年、アメリカのスーパーバイクでは、それまで上位争いを繰り広げていたBMWやドゥカティ、モトグッチといったヨーロッパ2気筒勢はスズキとカワサキに圧倒されるようになっていた。デイトナではその流れを端的に表すように、ヨシムラの送り出したGS1000に乗るロン・ピアース、ウェス・クーリー、デビット・エムデで表彰台を独占した。デビット・エムデに至っては同時にエントリーしていた250ccクラスでの転倒による影響を微塵も感じさせない走りで、最後尾の63位から3位を獲得するという驚異的な走りであった。 最終的に1979年のAMAスーパーバイク選手権はヨシムラ・スズキGS1000に搭乗するウェス・クーリーが王座についたが、終盤クーリーは前年まで自身が搭乗していたZ1に乗るフレディ・スペンサーの追い上げに苦戦を強いられた。 1979年、アメリカでの活動を軌道に乗せることができたと判断した吉村は、アメリカでの活動を不二雄に託し、直江と共に日本へ帰国した。そして、アメリカでの苦しい時代を日本から支えてくれたヨシムラパーツショップ加藤を発展させることに尽力した。 吉村が帰国して最初のレースは1979年の鈴鹿8耐になった。連覇の期待が掛かるヨシムラであったが、この年の8耐はレギュレーションが変更され、十分な準備ができなかった。ウェス・クーリー、ロン・ピアースというデイトナでの1位、2位コンビで臨むも序盤からブレーキトラブルに悩まされ、様々な手を尽くすも結局解決しないまま7時間が経過した頃、折れたコンロッドがクランクケースを突き破りリタイアに終わった。優勝はホンダのトニー・ハットン、マイク・コール組で、前年の汚名を返上するかのように、ホンダが1位から8位までを独占する圧勝であった。 第2回鈴鹿8時間耐久ロードレース結果 (抜粋) 順位ゼッケンライダーライダーマシン周回数ゴール時間予選順位予選タイム1 6 トニー・ハットン マイク・コール ホンダ・CB900 197 8h00:23.78 7 2:21.86 2 9 ロン・ハスラム アレックス・ジョージ ホンダ・CB900 197 8h02:23.76 4 2:20.06 3 17 角谷新二 浅海敏夫 ホンダ・CB900F 187 8h01:35.42 15 2:26.97 4 21 築地三千盛 森田隆 ホンダ・CB750 185 8h02:43.14 13 2:26.16 5 19 山梨保 伊藤裕之 ホンダ・CB900F 184 8h02:00.27 24 2:32.52 6 61 木下淳 富田英志 ホンダ・RS250 182 8h01:28.59 30 2:34.07 7 22 桜井隆 上田幸也 ホンダ・CB750 182 8h01:37.66 14 2:26.22 8 56 川上浩 渡辺靖夫 ホンダ・RS250R 182 8h02:48.45 37 2:35.39 9 25 森田泰男 柴谷正明 カワサキ・Z650 181 8h01:36.06 21 2:30.84 10 26 真田哲道 河井初志 カワサキ・Z1 181 8h02:06.90 16 2:27.07 40 1 ウェス・クーリー ロン・ピアース スズキ・GS 131 Ret 6 2:21.47 51 2 グレーム・クロスビー 富江昭孝 カワサキ・Z1 52 Ret 1 2:17.33 予選最速タイム - グレーム・クロスビー - 2:17.33 決勝日 - 7月29日 観客数 - 86,000人 天候 - 曇
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