第2回公判以降
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 08:40 UTC 版)
「日置市5人殺害事件」の記事における「第2回公判以降」の解説
第2回公判(2020年11月19日)では被告人Iの伯父X(被害者である伯母Cの夫)が証人として出廷した。同日、弁護人は「被告人Iは事件の10年以上前から発症していた妄想性障害の影響で、被害者5人のうち父親A以外の4人を『自分を迫害する一派だ』と思い込んでいた」と主張し、XにもIへの嫌がらせの有無などを確認した。これに対し、Xは「直接何かを言ったことはない。被害者らに『Iは仕事をせず、家でゲームばかりしている』と言ったぐらいだ」と回答し、Iへの極刑を求めた。 第3回公判(11月20日)では被告人Iの母親(被害者Aの妻)が証人として出廷し、息子Iの生い立ちについて「幼少期は手が出やすいところはあったが、真面目で優しい性格だった。陸上自衛隊を入隊から約1年で辞めてしばらくすると、『誰かに悪口を言われているのが聞こえる』と言い始めて自身に暴力を振るうようになり、それに耐えかねて2014年(平成26年)ごろに家を出た」と証言した。その上で、息子Iに対し「みんなに謝罪してほしい」と話した。 第4回公判(11月24日)では被告人質問が行われ、被告人Iは父親Aを死亡させたことについては「謝りたい」と述べたが、他4人の被害者については「(伯父Xを含め)自分への嫌がらせを繰り返していた。彼らに復讐するため殺害した。謝罪するつもりはない」と述べた。続く第5回公判(11月25日)では引き続き被告人質問が行われたほか、被告人Iの起訴後に精神鑑定を担当した精神科医が出廷し、「被告人Iは妄想性障害に罹患していたことが認められるが、事件の根底には幼少期からの祖母Bへの悪感情がある」「障害が犯行に与えた影響は少ないか、まったくない」と述べた。一方、第6回公判(11月26日)には起訴前に地検から依頼を受けて精神鑑定を担当した精神科医が出廷し、起訴後の鑑定を担当した医師とは逆に「精神障害が事件に大きな影響を与えた」とする意見を述べた。 第7回公判(11月27日)にて実施された被告人質問で、被告人Iは「これまでの『水に毒を盛られた』などの発言は妄想ではなく事実だ」と主張し、「妄想性障害があった」とする精神科医2人の供述に反論した。 第8回公判(12月1日)にて論告求刑が行われ、検察官は「妄想性障害の犯行への影響は軽微である」として被告人Iに死刑を求刑した。一方、被告人Iの弁護人は父親A・祖母Bに対する殺人罪の成立を否定した上で、2人の死体遺棄罪やほか3人への殺人罪についても、「犯行は妄想性障害に著しく影響されたもので、被告人Iは心神耗弱状態だった」と主張し、無期懲役刑の適用を求めた。
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