童貞との比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 07:58 UTC 版)
歴史的に、そして現代において、処女は童貞より重要であると考えられてきた。性欲が男らしさの基本であるという認識は、その人の社会的地位を低下させることなく、童貞への期待を低下させてきた。例えば、イスラム文化の中には、性的に活発だったりレイプされたりした未婚の女性は、名前を呼ばれたり、遠まわしにされたり、家族に恥をかかせたりすることがある一方で、コーランでは男女ともに婚前交渉は禁止されているにも関わらず、未婚の男性は童貞を失っても女性のようにはならない。さまざまな国や文化の中で、男性は性的衝動を感じることや性的経験を積んだりすることを期待されたり、勧められたりしている。これらの基準に従わないと、他の男性からからかわれたり嘲笑されたりすることがよくみられる。ガットマッハー研究所が2003年に行った研究によると、ほとんどの国では、ほとんどの男性が20歳の誕生日までに性交を経験している。 男性のセクシャリティは、生まれつき競争的なものであり、女性のセクシャリティや処女とは異なる文化的価値観やスティグマを示すものと考えられている。ウェンガーとバーガーの研究者はある研究で、童貞は社会において現実の物事であると理解されているが、社会学の研究では無視されていることを発見した。特にアメリカ文化の中では、『42年の夏』や『アメリカン・パイ』のような映画の中で、童貞は恥と嘲笑の対象とされており、典型的に童貞は社会的に無能であると表現されている。このようなことから、男性の中には童貞であることを秘密にしている人もいる。 また、現代では女性は花婿が童貞であることに価値を見出さないのに対して、男性は花嫁が処女であることを高く評価する。アメリカで行なわれた配偶者選択に関する世代間比較調査では、男性が女性よりも、未来の配偶者の純潔性を重視する傾向がはっきりと見られた。こういった傾向は、処女喪失には魅力や努力がほとんど必要がないのに比べて、童貞喪失には一般的に選り好みの激しい女性を魅了するのに多くの魅力や努力などが必要とされるためだと説明できる。つまり、男は魅力がないと風俗嬢以外のセックス相手を得ることができず、童貞を脱するのが難しいということである。 日本の裁判においても、婚約後双方が童貞処女を喪失し、その後婚約が破棄された場合「慰藉料を請求し得るのは女子のみであつて、男子は之を請求し得ない。これ女子の貞操の喪失、即ち其の純潔の喪失に対する社会的評價」は男子と異なるとした事例が存在する。
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