程村紙
名称: | 程村紙 |
ふりがな: | ほどむらし |
芸能工芸区分: | 工芸技術 |
種別: | 手漉和紙(てすきわし) |
選択年月日: | 1977.06.01(昭和52.06.01) |
選択要件: | |
備考: | |
解説文: | 程村紙は、茨城県産の良質の那須楮【なすこうぞ】を原料として、手打ちによる叩解、二枚の簀【す】を使って「半流し」と称する独自の漉き方、いちょうの干板【ほしいた】を使った天日乾燥等伝統的で入念な技法で漉かれた紙で、強靱であるとともに品格のある美しさを保持している。西の内紙と同じ那須楮を原料としながら、漉き方の相違から、より厚く緻密な紙肌をもった独自の特色を発揮している。 程村紙の名称は、現・烏山町境字程村の地名に由来する。日本山海名物図絵(一七五四)に「凡日本より紙おおく出る中に、越前奉書、美濃のなおし、関東の西の内、程村、長門の岩国半紙もっとも上品也。」とあるように、西の内とともに高く評価された。 現在、程村紙を漉く技術者は、福田氏の漉き場一工場のみで、毎年冬、その年の紙漉きの仕事初めとして、この由緒ある程村紙を漉いて、その技の保存に努めている。 |
程村紙
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/07 05:00 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動程村紙(ほどむらがみ[1]、ほどむらし[2][3])は、栃木県那須烏山市で作られる楮紙。
烏山和紙を代表する和紙で、「厚紙の至宝」[3][4][5]と評されるほどに厚手で丈夫なのが特徴[6]。品質が高いことで知られる[7]那須楮を原料とする[3][5]。起源は奈良時代とされ[6]、かつて烏山町境村にあった程村地区が産地であったことに由来する[3][5][6]。襖や障子等の建築部材のほか、投票用紙、皇居用の懐紙[6]、烏山藩藩札などの重要書類で用いられ[5]、現在は卒業証書用紙が主力である[6]。宮中で年頭に行われる「歌会始の儀」でも用いられた[2]。烏山地方は戦前は和紙の一大産地であったが、安価な西洋紙に押されて1964年(昭和39年)には1軒のみになっている[6]。
1970年(昭和45年)には烏山町無形文化財に指定され[2][5]、1977年(昭和52年)には記録作成等の措置を講ずべき無形文化財に選択された[5][6]。明治百年行事では通産大臣賞を受賞した[8]。
福井県越前市の越前奉書、岐阜県美濃市の美濃の直紙、山口県岩国市の岩国半紙、茨城県常陸大宮市の西ノ内紙と共に、日本の代表的な5紙の一つとされている[9]。
脚注
- ^ “程村紙” (日本語). コトバンク. 朝日新聞社. 2013年8月9日閲覧。
- ^ a b c “烏山町・烏山和紙会館 手作り体験教室も=栃木” (日本語). 読売新聞(東京朝刊、栃木3): p. 33. (2005年8月19日) - ヨミダス文書館にて2013年8月9日閲覧。
- ^ a b c d “程村紙” (日本語). とちぎの文化財. 栃木県教育委員会. 2013年8月9日閲覧。
- ^ “ふるさとフェア98 伝統の技、キラリ ドームに集う工芸・民芸品=特集” (日本語). 読売新聞(東京朝刊、朝特A): p. 32. (1998年1月16日) - ヨミダス文書館にて2013年8月9日閲覧。
- ^ a b c d e f “楮の紙” (日本語). 和紙の種類一覧. 全国手すき和紙連合会. 2013年8月9日閲覧。
- ^ a b c d e f g “烏山和紙に待望の新人” (日本語). 読売新聞(地域、栃木). (2013年4月22日) 2013年8月9日閲覧。
- ^ “和紙原料生産における問題点と課題” (日本語). 和紙(わし)-文化財を維持する特用林産物4. 日本特用林産振興会. 2013年8月9日閲覧。
- ^ “福田製紙所 (PDF)” (日本語). 那須烏山商工会. 2013年8月9日閲覧。
- ^ “「西の内紙」国登録文化財に=茨城” (日本語). 読売新聞(東京朝刊、茨城東): p. 33. (2013年1月23日) - ヨミダス文書館にて2013年8月9日閲覧。
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