福岡県で事件発生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 18:47 UTC 版)
「西鉄バスジャック事件」の記事における「福岡県で事件発生」の解説
2000年5月3日12時56分ごろ、佐賀第二合同庁舎(佐賀県佐賀市)発西鉄天神バスセンター(福岡県福岡市中央区)行きの西日本鉄道の高速バス「わかくす号」(西鉄バス佐賀営業所所属車両、登録番号:佐賀22き ・258、車番8544、型番はU-RU2FTAB、1991年(平成3年)式)は、定刻通りに佐賀第二合同庁舎を出発した。西鉄天神バスセンターには14時6分に到着する予定であった。 ところが発車後の13時35分ごろ、九州自動車道の太宰府インターチェンジ付近で刃渡り約40センチの牛刀を持ったAが運転手に牛刀を突きつけ乗客に対し「天神には行くな、このバスを乗っ取ります」「おまえたちの行き先は天神じゃない。地獄だ」と言いながらバスを乗っ取った。 Aは西鉄天神バスセンターに行かずに九州自動車道をしばらく走行するように運転手を脅し、乗客に対して様々な指示を繰り返した後、最後にカーテンを閉めるように指示。その後、山口県の山陽自動車道に達するまでに乗客3人を切りつけ、2人が負傷して女性1人が死亡した。日本のバスジャック事件において人質が死亡した初めての事件となった。 金融機関や航空機、タクシーなどと異なり、当時のバスには内部の異常事態を密かに外部に知らせる仕組みやマニュアルがなかった。乗務していた運転手によると、ハザードランプの点灯やパッシングをするなどの行動によって、外部に異常事態を伝えようとしていた。通報があったのは、福岡県北九州市門司区の九州自動車道新門司インターチェンジとされている。対向する車両の運転士が気づいていたか否かは公になっていない。 この頃、西鉄佐賀自動車営業所では西鉄天神バスセンターに到着しない当該バスに対し、所内から何度も無線で当該バスに応答を求めていたが、応答がなかった。無線は門司区辺りまでが交信可能エリアだったため、山口県に入ってしまうと無線が途切れる可能性が高かった。西鉄は15時30分ごろ、本社内に対策本部を設置して約20人が情報収集に当たったが、この時点ではまだ何も分からず、さらに乗っ取られた高速バスのわかくす号は予約制ではないため、乗客の身元の確認に時間がかかった。また、当日は博多どんたくの期間中で、バスセンターや高速バスの利用者も多かった。
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