神戸ポートタワーとは? わかりやすく解説

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こうべ‐ポートタワー〔かうべ‐〕【神戸ポートタワー】

読み方:こうべぽーとたわー

神戸市中央区にある展望塔鋼管パイプ組み合わせて作られており、全体細長い鼓(つづみ)の形をしている。昭和38年1963建設。高さ108メートル


神戸ポートタワー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/29 00:21 UTC 版)

神戸ポートタワー
2023年12月27日撮影
情報
用途 展望
設計者 伊藤紘一仲威雄日建設計
施工 大林組[1]
延床面積 1,534 m²
階数 12
高さ 108m[2]
着工 1962年昭和37年)8月13日
竣工 1963年(昭和38年)11月20日
開館開所 1963年(昭和38年)11月21日[2]
改築 2010年平成22年)3月
2024年令和6年)4月
所在地 650-0042
兵庫県神戸市中央区波止場町5-5
座標 北緯34度40分57.5秒 東経135度11分12.1秒 / 北緯34.682639度 東経135.186694度 / 34.682639; 135.186694 (神戸ポートタワー)座標: 北緯34度40分57.5秒 東経135度11分12.1秒 / 北緯34.682639度 東経135.186694度 / 34.682639; 135.186694 (神戸ポートタワー)
文化財 国の登録有形文化財
指定・登録等日 2014年12月
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神戸ポートタワー(こうべポートタワー)は、兵庫県神戸市中央区波止場町にあるタワー2014年12月に登録有形文化財に登録されている[3]

1963年11月20日、神戸港中突堤に竣工した。下層3・4階は神戸国際港湾博物館となっていたが1987年3月で閉館、同年4月に後継施設となる神戸海洋博物館メリケンパークに開館した。

2021年9月27日から耐震化など補強工事のため休館となっていたが[4]、2023年12月21日にライトアップを再開し[5]、2024年4月26日にリニューアルオープンした[6]

概要

タワーとしては世界初となるパイプ構造の建造物で、和楽器(つづみ)を縦に引き伸ばしたような独特のデザインとなっている[7]。32本のパイプ(鋼管)により一葉双曲面を形成するつづみ型の外筒は、円柱型の内筒と水平ブレースで連結されている[8]

双曲面構造の優美さから「鉄塔の美女」と呼ばれ、日本で初めてライトアップされた建造物でもある[9]。当時の神戸市長(第7代)であった原口忠次郎は、元内務省の技術官僚でもあったが、1959年ロッテルダムを訪れた際に、港を一望するユーロマスト[10]に感激し、このタワーの建設を思い立ち、その4年後に実現した。

塔体の塗装は銀色を予定していたが、地上からの高さが60mを越えるため当時の航空法により赤と白に変更された[11]。ただし、東京タワーや当初の横浜マリンタワーのような赤と白の縞模様ではなく、外筒が赤、それ以外が白となっている。

神戸港のシンボルとして広く知られ、修学旅行などの観光客が港町神戸を学習する際にその多くが立ち寄る拠点ともなっている。中には売店・レストラン・展望台がある。キャラクターは神戸ポートタワー君(愛称はキャプテンタワー君)[12]

2024年4月26日のリニューアルオープン後に、360度の風景が一望できるガラス張りのタワー屋上展望フロアーが新規開設された[13]。また、低層フロア(1-4階)にも屋外テラス付きの飲食店が出店した[6]。また、このリニューアル前は低層4階部分から16台の投光器で高圧ナトリウムランプの光を当てていたが、リニューアル後は14台の投光器による発光ダイオード(LED)照明に変わった[14]。通常はタワーの赤色が照らし出されているが、LED化によりあらゆる色を出すことが可能となり、神戸海洋博物館メリケンパーク一帯をライトアップする企画でタワーは青や白など様々な色で照らされている[14]

第15回日本建築学会賞(1963年)、 建築業協会優良建築賞(BCS賞)、 照明学会照明普及会賞を受賞している[3]

歴史

1962年(昭和37年)8月、神戸港の開港90周年を記念する事業として大林組施工で着工[7]

1963年(昭和38年)11月に完成[4]。建設時は港の景色が楽しめるように、中突堤の中ほどに建設された。しかし、1980年代中頃にメリケンパークの造成により東岸の水域が、1990年代後半に中突堤中央ターミナルかもめりあ)等の開設により西岸の水域がそれぞれ埋め立てられ、以降は中突堤の付け根に建つ格好になっている。

1995年1月17日の阪神・淡路大震災によって中突堤は大きな損傷を受けたが、ポートタワーはほとんど損傷を受けず、震災から間もない2月14日、「復興に立ち上がる神戸市民の希望の灯に」と言う願いを込めてライトアップが再開された[7]

改修

2009年12月 - 2010年3月の間、神戸市によって建設以来の大規模な改修工事が行われた。総事業費は約3億3,000万円。17年ぶりの鉄塔の塗装の塗り直しをはじめ、LEDの使用による新たなライトアップや展望室のリニューアル(1階床の一部ガラス化および5階天井に光ファイバーを使用した星雲状の星空の演出)、バリアフリー化がなされた。照明の色は白1色から光の三原色(赤・青・緑)にすることにより40種類のイルミネーション演出が可能となった。2010年4月28日19時00分に式典が開催されリニューアルオープンした[15][16]

2013年11月21日、開業50周年式典が行われた。22日まで開業当時の入場料金、大人150円、子供80円で入場できるなどの特典があった[17][18]

2021年9月27日から老朽化対策や耐震性強化などの工事のため休館となり、2023年度に営業を再開する予定だった[4]。しかし、台風などで工事の遅れが生じ、運営する民間事業者の選定に時間を要したため[19]、営業再開は2024年4月26日となった[20]

沿革

一般財団法人 神戸観光局 港湾振興部公式サイトより抜粋[21]

ギャラリー

交通アクセス

神戸ポートタワー

周辺の名所・文化施設

脚注

  1. ^ 神戸ポートタワーの実績”. 大林組. 2019年11月14日閲覧。
  2. ^ a b 『日本展望タワー大全』(2020年9月10日、かねだひろ著、辰巳出版発行)47頁。
  3. ^ a b 神戸市中央区 区民広報紙 2024年2月号”. 神戸市中央区. 2024年8月6日閲覧。
  4. ^ a b c ポートタワー27日から休館 名残惜しみ足運ぶ人も」『神戸新聞』2021年9月21日。2021年11月18日閲覧。
  5. ^ 神戸ポートタワーがライトアップ再開 リニューアルし来春再オープン”. 朝日新聞 (2023年12月21日). 2025年2月16日閲覧。
  6. ^ a b ポートタワー26日再オープン 屋上デッキ、神戸港や六甲山を一望 改修完了、ビームスも出店”. 神戸新聞 (2024年4月23日). 2024年4月24日閲覧。
  7. ^ a b c 神戸ポートタワー”. 大林組 (2009年12月7日). 2024年8月4日閲覧。
  8. ^ ACe建設業界 神戸ポートタワー”. 日本建設業連合会 (2011年7月). 2024年9月16日閲覧。
  9. ^ 2021年09月26日〜2023神戸ポートタワーは年リニューアル工事のため0 8月ごろ休業までいたします。” (PDF). 神戸ポートタワー. 2021年9月21日閲覧。
  10. ^ Euromast
  11. ^ よくある質問 - ウェイバックマシン(2015年5月18日アーカイブ分)
  12. ^ 沿革|港湾振興部とは | 一般財団法人 神戸観光局 港湾振興部 PORT OF KOBE”. 一般財団法人 神戸観光局 港湾振興部 PORT OF KOBE. 2024年10月17日閲覧。
  13. ^ KOBE PORT TOWER”. KOBE PORT TOWER公式. 2024年1月4日閲覧。
  14. ^ a b 「鉄塔の美女」神戸ポートタワー、雰囲気変わった? 改修後のライトアップ、鮮やか赤色に 調べてみると…”. 神戸新聞 (2024年8月6日). 2024年8月6日閲覧。
  15. ^ 神戸ポートタワー、7色に変化…改修工事完了」『読売新聞』2010年4月24日。[リンク切れ]
  16. ^ 生まれ変わりました ポートタワーが再オープン」『神戸新聞』2010年4月28日。オリジナルの2010年4月29日時点におけるアーカイブ。
  17. ^ 神戸ポートタワー開業50周年記念イベント開催 - ウェイバックマシン(2013年11月24日アーカイブ分)
  18. ^ 港都照らし半世紀 神戸ポートタワーで開業50周年式典」『神戸新聞NEXT』2013年11月21日。オリジナルの2013年11月21日時点におけるアーカイブ。
  19. ^ 神戸ポートタワー営業再開、24年春にずれ込み 台風が影響、運営業者も決まらず半年以上遅れ」『神戸新聞』2022年9月30日。2022年10月2日閲覧。
  20. ^ 神戸ポートタワー 4月に営業再開”. NHK / 関西 NEWS WEB. 2024年2月2日閲覧。
  21. ^ 一般財団法人 神戸観光局 港湾振興部 沿革(2023年9月27日閲覧)

関連項目

外部リンク




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