研究及び社会的活動の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 14:26 UTC 版)
「椎名慎太郎」の記事における「研究及び社会的活動の特徴」の解説
研究は修士課程でのフランス行政法研究から開始し、この分野での注目される業績としては、主要論文に挙げられた「公役務」(service public)概念に関するものがある。 1975年(昭和50年)の文化財保護法第三次改正後に文化財保護法研究に専心し、遺跡や歴史的環境を保存するための訴訟に積極的に関わる。1987年(昭和62年)の著書にある伊場遺跡保存運動には1978年(昭和53年)から1989年(平成元年)の訴訟終了まで原告・弁護団と密接な連携をとりつつ研究と実践をつなげる活動をした(伊場遺跡訴訟)。1994年(平成6年)に公刊した岩波新書は主著と言える。さらに、1993年(平成5年)に成立した行政手続法に関する研究から日本行政法分野でも著書、論文を発表しており、1999年(平成11年)の論文集はこれらの研究のひとまずの集大成である。この分野では今日でも新たな論考を発表しつつある。 専門研究のかたわら、考古学、歴史学、民俗学、自然科学など、多面的な問題関心を持っており、2005年(平成17年)10月に開始したFM甲府、毎週火曜日の「石部典子のごきげんな昼下がり」の15分ほどのコーナー「教えて椎名先生」では多彩な話題を解説している。その一部を活字化して出版したのが2010年(平成22年)の著書である。 文化財保護の実践活動では、上述の伊場遺跡保存運動だけでなく、和歌浦訴訟など、各地の遺跡や歴史的環境保存を求める訴訟に証人として支援を行ってきた。最近では、東京都内の歴史的建造物の保存を求める訴訟(羽澤ガーデン訴訟、銅御殿訴訟)にも支援者として関わっている。 山梨県内では、1982年(昭和57年)10月以来30年近くにわたって山梨県考古学協会埋蔵文化財保存対策特別委員長として、県内のさまざまな遺跡の保存の先頭に立っている。2011年(平成23年)6月には多年にわたる文化財保護法研究及び実践の功績を評価されて、文化財保存全国協議会から第12回和島誠一賞を授与された。
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