監督観・チーム作り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 09:56 UTC 版)
「アレックス・ラミレス」の記事における「監督観・チーム作り」の解説
DeNA監督としての就任会見(2015年10月)、及び、DeNA監督としてのインタビュー記事(2016年5月)において、自身の監督観、あるいは自身が目指すチーム作りにおいて、下記のことを述べている。 「ご存じの通り、若く将来有望な選手が多い中で、積極的な野球ができればと思っています。必要なときに積極性を出し、個々の選手が力を合わせて協力して、みんなが1つの目標に向かっていければいいと思います」 「できるだけ多くのコミュニケーションを選手ととれる監督になりたいと思います。同時に積極性をもって、多くの選手にいろいろ教えたいと思います。野球は身体的なものよりメンタルな面が大事だと思いますので、そういうところも含めて指導していけたらと思います」 「監督は選手より有名になるべきじゃないというのが、僕の持論。選手が注目されるべきだと思うんだ。監督はゲームに集中して、必要以上に目立ったパフォーマンスをしない」 試合終了後の監督会見、選手に対する日々のミーティング、各種メディアにおけるインタビューにおいて、下記のことを折に触れて述べている。 「凡事徹底」(基本的なこと、当たり前のことを徹底的に大切にする) 「どう始まるかより、どう終わるかが大事だ」(試合が終わった瞬間から、次の試合に対しての準備が始まる) 「Tomorrow is Another Day.」(明日は明日、また頑張ります) 「That happens.」(そういうこともある。終わったことは気にしない) 「Cross the Line.」(線を越えろ。一度でもその線を越えれば風景が、意識が変わる) また、下記のように、中長期的な視点を意識したコメントも、しばしば発信している。 「経験がこのチームをより一層、強くしていくと思う」(2016年10月、クライマックスシリーズファイナルステージで広島に1勝4敗で敗退が決まったことを受けての、シーズン終了会見にて) 「最後の20試合が重要だと多くの監督が言うが、首位とのゲーム差が10ゲーム以上あることを考えれば、残り20試合では追いつけない。『残り20試合の時点でどういう状態にチームを持って行くか』が最も重要だ」(2016年7月、オールスターを終えてシーズン後半戦を迎えるにあたってのコメントにて) チームの一体感を生み出す「雰囲気作り」を重要視すること、基本的なことを大切にする重要性、前向きなメッセージを常に発信し続けること、を通して「(選手を)やる気にさせてくれた。それがあってこそ、選手全員が自信をもってできたと思う」(筒香嘉智)という効果をもたらし、監督就任1年目の2016年、DeNAを球団史上初のクライマックスシリーズ進出に導いた。この年のDeNAは選手の年俸総額が12球団で最下位であった。 一方で就任以来初めてAクラスを逃した2018年シーズン終了後には、コーチ陣との意思疎通をしないで独断で選手起用や作戦指示をしていたことを明かし、コーチ陣に対して異例の謝罪をした。当時ヘッドコーチとしてラミレスと現場を共にした青山道雄は2017年の記事で「自分の信念を貫く監督です。とにかく選手たちを強く信頼していて、そういった部分では頑固者かもしれません。バントをしないなど、いろいろと批判を受けましたが、ラミレス監督はそれを承知の上で、データに基づいて采配しています」と語っていた。また、2019年シーズン中の取材には「でも、(試合中に)ベンチ内でゆっくり会話なんかしている時間はないわけですよ」「いろいろな話をするけど、瞬時の判断は任せている。だから、コミュニケーションは量の問題じゃない。(コーチたちの)意見をどう解釈してどう決めていくかは監督だから」と回答していた。
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