登場人物のイメージを重視したキャスティング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 23:10 UTC 版)
「独眼竜政宗 (NHK大河ドラマ)」の記事における「登場人物のイメージを重視したキャスティング」の解説
主演俳優について、当初西城秀樹を起用する構想があったが西城サイドのオファー辞退で実現しなかったことが、後年明らかにされた。 最終的には新進気鋭の俳優のひとりであった渡辺謙を起用。本作をきっかけに一躍国民的な俳優の仲間入りを果たすことになった。渡辺は1984年の『山河燃ゆ』以来、2度目の大河ドラマ出演。本作の前年(1986年)連続テレビ小説『はね駒』(NHK)出演中に「眼がいい」と言われ[誰によって?]、抜擢されたという。ただし、あまりにはまり役となったために、「渡辺謙=伊達政宗」の固定イメージができてしまい、その後、ほかの役を演じるにあたり苦労したようである。十数年後、渡辺は映画『ラストサムライ』でアカデミー賞助演男優賞候補に挙げられるが、その時の記者会見でも「これでようやく伊達政宗から卒業できるかな」と発言している。 渡辺の出演シーンは実際に右目を塞いだ状態で撮影が行われたため、所作に苦労した。西郷輝彦(政宗の側近・片倉小十郎役)の話によれば、ある日、入室の場面で頭を下げていたところ大きな音がしたので顔を上げると、渡辺がひっくり返っていたという。 豊臣秀吉役の勝新太郎は、『座頭市』シリーズなど数多くの時代劇に主演した名優であるが、本作が唯一の大河ドラマ出演となった(NHK制作のドラマとしても同様)。『影武者』での勝の降板劇を踏まえ、勝が降板した場合に備えて秀吉役の候補も三國連太郎、仲代達矢、山﨑努、緒形拳が検討されていた。配役決定後、渡辺は勝のクランクイン前に一度挨拶したのみ。これは「小田原で政宗が秀吉と初めて出会うのなら、そのシーンの撮影まで渡辺と会うべきでない」という勝のアイデア。収録は渡辺と勝が会うことがないよう調整して行われた。初共演となる小田原参陣でのシーンはリハーサル無しで収録され、楽屋も隔離されており、収録本番ではじめて対面。このシーンの収録後、渡辺は勝から「いい眼をしていたぞ…」との声をかけてもらったという。 終生のライバルのひとり最上義光役には、当初、松田優作がキャスティングされていたが、実現しなかった(後年の大河ドラマ『天地人』(2009年)では優作の長男である松田龍平が政宗役を演じ、渡辺の娘である杏が政宗の正室・愛姫を演じた)。 錚々たる豪華出演陣にジェームス三木は「嬉しい悲鳴」と前置きしつつ、「勝さんと岩下(志麻)さん(政宗の母・義姫役)のクレジットの優劣をつけられないから、二人が同じ回に登場しないように書き分けた」と語っている。他誌のインタビューでも「トメは秀吉役の勝新太郎。北大路欣也(政宗の父・輝宗役)、岩下志麻をどうするかでモメた。その結果、勝、岩下の2人が(同時に)出る放送回がなくなった」と語っている。 なお、本作では幼少・幼年期のエピソードが8話中盤まで描かれたため、それまで本来の主演である渡辺は登場しない(※オープニングは除く)。その間の出演者のトップクレジットは北大路欣也となる。
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