生物学的種の概念とは? わかりやすく解説

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生物学的種の概念

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 07:37 UTC 版)

種 (分類学)」の記事における「生物学的種の概念」の解説

マイヤーによって1942年提案された、生物学では最も一般に用いられている種の概念。この定義では、同地域に分布する生物集団自然条件下で交配し子孫を残すならば、それを同一の種とみなす。 逆に同地域に分布して遺伝子交流なされない、あるいは交流なされて子孫存続しいならば異なる種とされる(=生殖的隔離完了している)。たとえばロバウマ交雑によってラバという雑種生まれるが、ラバはほとんど繁殖力持たず世代が続くことはない。よってロバウマ別の種と見做されるそれぞれの生物集団異な地域属していたり、違う時代属している場合生殖的隔離検証出来ないため、その生物形態比較集団レベルでの交配および受精可能性検証雑種の妊性(稔性)の確認通じて同一の種であるかが検討される。 ただし雑種全て生殖能力に劣るわけではない。特に、植物では従来の見解では異種であった個体群交配させて園芸品種作ることは頻繁に行われている。このようなときは、この定義を厳密に当てはめた場合ではなく亜種として分類しなおすことになる。野生下での交配可能性のみを問題にする立場からしても、イヌ属カモ属、キジ属などの場合亜種として扱うことになる。 生物学的種を普遍的なものとして扱いたい場合に最も根本的な問題となるのは交配せず無性生殖のみを行う生物である。この定義を適用すれば全ての個体系統異なる種に分類されることになり、現実的ではない。はるか昔に絶滅した種を扱う古生物学にも適用できない。また実際的な問題として、無数の生物組み合わせ全て実際に交配が行われるかどうか確認するのは不可能である。 さらに輪状種存在生物学的種に困難をもたらす輪状種とは近接して生息する個体群AとB、BとCが交配可能であるが、離れて生息する個体群AとCの間に生殖的隔離存在する亜種混合個体群のことである。この場合AとCは生物学的に別種であるが、AとB、BとCは定義上、同種である。全ての種は時間的に連続した存在だが、輪状種はそれを空間的に見ていると言うことができる。

※この「生物学的種の概念」の解説は、「種 (分類学)」の解説の一部です。
「生物学的種の概念」を含む「種 (分類学)」の記事については、「種 (分類学)」の概要を参照ください。

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