生物学的な音楽の起源とは? わかりやすく解説

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生物学的な音楽の起源

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 03:09 UTC 版)

音楽史」の記事における「生物学的な音楽の起源」の解説

音楽人類共通のものであり、あらゆる文化において存在するさらには生まれたばかりの赤ん坊であっても音楽対す関心を示すことから、ヒトという種は、音楽に対して何らかの遺伝的基盤備えていると思われる一方ヒト以外の動物には音楽がほとんど存在しない鳥類海獣類なかには発声応用した「歌う」種がわずかにあるばかりである。また、これらのヒト以外の動物種による「歌う」行動は、音楽の一形態解釈するよりは、別の機構から発現し類似の形態考える方が、多く場合妥当である。特に霊長類には、「歌う」種すら乏しくヒト音楽の起源に関しては、独自の進化により獲得したものだと考えられる人類音楽的能力が高いことに関しては、これまで幾つかの説が誕生している。ダーウィンは、性的衝動表現として動物鳴き声があり、音楽の上手い個体異性好まれるため、音楽的資質の高い遺伝子選択されたという「性選択説」を提唱している。ただし、音楽の起源に関する遺伝的研究未発展であり、全ての説がデータとして裏づけのない推察の上成り立っており、仮説の域を出ていない。またルソースペンサーヘルダーなどは人間の言語注目し言語もっている音韻から派生して初期音楽である歌が生まれた見ている。この他にも音楽の起源リズムとするヴァラシェク、労働という活動起源見出すビューヒャー、信号要素起源とするシュトゥンプフなどが主張展開している。最近では、人類言語対す認知能力進化するにともない、それが副産物的な能力として人類音楽的能力高めたという「帰無仮説null hypothsis)」も有力とされている。 エドワード・サピアは『言語』で言語の起源一つ音楽をあげているが、言語の起源同様に証明することは不可能である。オリバー・サックス対談で『レナードの朝』で出てきた嗜眠性脳炎患者音楽鳴っている間は、ダンスをすることも歌うこともできるが、音楽消えるととたんにその力も消えるという。嗜好があるが、リズムテンポという音楽ビート拍子)の部分が重要で、ビート反応する他の霊長類はないという。

※この「生物学的な音楽の起源」の解説は、「音楽史」の解説の一部です。
「生物学的な音楽の起源」を含む「音楽史」の記事については、「音楽史」の概要を参照ください。

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