生物学的な基礎とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 生物学的な基礎の意味・解説 

生物学的な基礎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 04:47 UTC 版)

原色」の記事における「生物学的な基礎」の解説

原色電磁波本質的な要素ではない。原色は、生物の眼が可視光線に対して起こす生理学的反応結び付けられている。レーザー光のような単色光は別として、天然光や照明などの光は、あらゆる波長放射エネルギー合成されており連続的なスペクトルを持つ。その刺激値空間無限次元にわたるが、人間の目はこれを次のような受容仕方によって三次元の情報として処理している。 人間の目の奥の網膜には一面に光受容細胞錐体細胞桿体細胞)があるが、光量充分な場合三種からなる錐体細胞反応する錐体細胞には、長波長に反応する赤錐体中波長に反応する緑錐体短波長に反応する青錐体三種類があり、それぞれの波長に最も反応するタンパク質(オプシンタンパク質)を含む。これらが可視光線感受することで信号視神経経由して大脳視覚連合野入り、ここで赤・緑・青三種類の錐体からの情報相対比や位置分析し、色を認識している。 人間など三種類の色覚受容体をもつ生物色覚は「三色色覚」(trichromacy) とよばれる。これらの種の生物は、光刺激三種類の錐体で受けとめ三次元の感覚情報として処理しあらゆる光の色を三つ原色混合比として捉える色覚受容体種類の数が違う生物は、異なる数の原色によって色を感じている。たとえば四色型色覚 (tetrachromacy) を持つ生物には四種類の色覚受容体があり、四原色組み合わせで色を認識している。人間波長800ナノメートル(赤)から400ナノメートル(紫)の範囲までしか見ることができないが、四色型色覚生物波長300ナノメートル紫外線まで見ることができ、四番目の原色はこの短波長の範囲にあると考えられる鳥類有袋類多くは四色型色覚を持つが、人間でも女性中には四色型色覚を持つ人もいる。X染色体にある赤錐体緑錐体遺伝子時として変異により赤・緑のハイブリッド錐体細胞作ってしまい色覚障害起こすことがあるが、女性の場合X染色体2つあるため、1つX染色体このような変異起こってももう一方で正常な赤錐体緑錐体作られれば、赤・緑・青のほかに長波長の範囲もうひとつ原色認識することになる。人間色覚受容体反応する波長個々人においても多様であり、色覚の「正常」な人の間でも微妙な色覚の差として現れる人間以外の生物場合こうした多様性の幅は大きいが個々生物はそれに適合していると考えられる霊長類以外の哺乳類のほとんどは緑と青の二種類色覚受容体しか持たないため二色色覚 (dichromacy) であり、原色二色しかない一方16原色と6種の偏光捉えられるシャコのような例も確認されている。 大多数人間のもつ三色色覚以外の生物の見る世界は色が狂って見える、と考えるのは誤りと言えるそのように生まれた生物にとってはそれが普通な世界の色であり、そうした生物が色を知覚する能力人間色覚能力とは種類が違うであろう。また人間にとって自然な色に見えるものは、他の生物たちにとっても自然に見える。しかし三原色の光を使って人工的に再現した色(たとえばカラーテレビ画面)を見る場合人間にとっては自然な色に見えても他の生物にとっては自然な色には見えない。つまり、原色使って色を再現するときには再現する者の色覚システム依存した再現なされる

※この「生物学的な基礎」の解説は、「原色」の解説の一部です。
「生物学的な基礎」を含む「原色」の記事については、「原色」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「生物学的な基礎」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「生物学的な基礎」の関連用語

生物学的な基礎のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



生物学的な基礎のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの原色 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS