生活環の変化とは? わかりやすく解説

生活環の変化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 09:06 UTC 版)

植物の進化」の記事における「生活環の変化」の解説

世代交代#植物の世代交代」を参照 すべての多細胞陸上植物は、二つの相(しばしば「世代と言われるが、これは誤解招きやすい)からなる生活環持っている一つの相は、配偶体呼ばれ染色体1セットだけ(nと表す;単相持っており、配偶子精子卵子)を生産するもう一つ胞子体呼ばれペア染色体(2nと表す;複相)を持っており、胞子生成する。この2つの相は、同一であることも、きわめて異なっていることもある。 植物進化圧倒的に多いパターンは、配偶体世代縮小胞子体世代増大である。陸上植物祖先だった藻類は、ほぼ確実に単相半数体植物であり、生活環通じて単相であって単細胞接合子複相だった。すべての陸上植物有胚植物とも言う)は単複相である。つまり、単相複相ステージでどちらも多細胞である期間がある。 単複相生活環の発生理由としては、競合する2つ理論がある。 内挿説(もしくは対照説、挿入説とも言う)によれば胞子体世代はまった新規に進化したのである接合子減数分裂を行う前に有糸分裂して生長することによって胞子体になった。この理論は、最初胞子体配偶体とまった異なった形態をしていたこと、また胞子体配偶体依存していたことを示唆する。このことは、コケ植物について知られている知識とよく適合するように思われるコケ植物は、生活力のある葉状配偶体が、単純な胞子体、それもしばしばの上胞子嚢付いただけのものに寄生されている。胞子体複雑性がだんだん増大して光合成細胞までが備わるようになると、それはもう配偶体依存しなくてもよくなるツノゴケ類にその例が見られる。またさらに胞子体発展し組織維管束系備えるようになり、支配的な相になる。つまり維管束植物同様になる。この理論は、小さなクックソニア Cooksonia個体が、配偶体支えられていたという報告からも指示される。軸の増大観察されており、これにより光合成組織余地と、持続可能性出てきたことが、自立した胞子体世代発生可能にしたかもしれない。 他の仮説は、変化説(あるいは、相同説)と言う。この仮説は、胞子体は、接合体発芽の後の減数分裂遅延によって、突然胞子体現れたというものである遺伝子内容同じなのであるから、単数体と倍数体の相は同じようものになる。この説は、ある種藻類生態説明する。これらの藻類は、そっくりの胞子体配偶体フェーズそれぞれ形成するその後乾燥した陸上環境への適応において、そのままでは生殖困難になるため、配偶体生殖活動簡略化され、耐乾燥性胞子をよりよく散布する胞子体複雑化するという結果になった。ライニーチャートに保存されていた植物の胞子体接合体は、似た程度複雑さ示していた。このことは変化説の補強証拠となる。

※この「生活環の変化」の解説は、「植物の進化」の解説の一部です。
「生活環の変化」を含む「植物の進化」の記事については、「植物の進化」の概要を参照ください。

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