現代の天気予報
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/18 22:04 UTC 版)
20世紀の間に、大気変化の研究を取り入れた気象学は大きく進歩した。数値予報の考え方は1922年にルイス・フライ・リチャードソンによって提示された。しかしながら、天気予報を成り立たせるために必要な膨大な計算をこなすコンピュータはその当時存在しなかった。1970年に初めて、数値予報により世界中の天気予報業務を行うことが可能となった。 国際テレビ放送やインターネットの発達により天気予報のグローバル化が進んでいる。特に先進国の民間気象会社は、世界の気象機関や自社で観測したデータなどをもとに世界各国の天気予報をインターネットや各メディアでユーザーに届けるようになった。グローバルな天気予報は利便性を向上させる一方、情報源、予報技術、信頼性などが見えにくく、災害をもたらすような気象現象において責任国家機関の情報と各民間気象事業者の予報が異なる事態により受け手が混乱を招く問題も指摘されている。世界気象機関WMOでは情報の混乱の緩和を図るため、世界の主要都市の週間予報と災害の危険のある顕著現象について公式の情報提供を行っている。 一方で気象サービスの商業化とともに、各国の公共サービスの見直しや財政の緊縮化を背景に、国家が気象サービスを有料化する動きもある。その顕著な例がニュージーランドで、ニュージーランドでは政府が100%株式を保有する政府企業が有料で気象サービスを提供するようになっている。ヨーロッパでもこのような商業化の流れがみられるが、アメリカや日本では通信料だけで国の機関から気象サービスの提供を受けることができ商業化とは対極にある。気象サービスの商業化政策に対しては、気象情報の有効活用や開発意欲を阻む要因になるともいわれている。
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