現代のワコ掘りとは? わかりやすく解説

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現代のワコ掘り

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/02/09 16:32 UTC 版)

ワッケーロ」の記事における「現代のワコ掘り」の解説

20世紀入っても、前述土器などを掘り返すワコ掘りワッケーロ)は依然として地域民族文化民間信仰一種)として根付いている。彼らはトゥンベスからナスカにわたるペルー沿岸部大半占め地域にある「四旬節最後の週に古い墓から掘り出した遺物1年間家に保管しておくと厄除けになる」という風習あわせて売り歩くのである1901年ドイツ考古学者であるマックス・ウーレーは、ナスカ細長いオアシス周辺荒地との境界多く墳墓郡を発見した。彼はこの墳墓郡を発掘するうちに、鮮やかで特徴的な装飾施され土器発見リマ博物館に「出土地不明」として収蔵されていた5つ土器とそっくりであったことが判明した。こうしてナスカ土器ミイラ包んでいた美し織物広く知られることになる。しかし目ぼしい墳墓あらかたワッケーロ荒らされており、今日世界中博物館収蔵されナスカ土器のほとんどはワッケーロによって掘り出されたものだとされている。 ただこの盗掘考古学的に記録残したり地域的に分類したりという作業成されるはずも無く墳墓荒らされ遺骨吹き曝し露天掘り掘られ墳墓放置され遺跡荒廃一途たどっていると言う。また未盗掘墳墓減って土器価格上がると、今度精巧な模造品まで出回るようになり、ナスカ土器鑑定熟練した考古学者以外には困難なものともなっている。 1957年泉靖一現地民衆住居家屋床下葬られた(当時はこれが一般的な埋葬方法だった)埋葬跡の発掘調査行った際に、現地作業員としてケチュア族男性3人が雇われたが、彼らこそがワッケーロそのもので、前述通りコカ噛みラム酒厄払いをしてから作業入ったと言う。彼らはコカ与え強壮効果が、墓地から湧き出す魔気を払うと信じていた。 なお現代でも一般に根付いたワコ掘りだが、神聖な遺物を見つける者として尊敬する一方で異常な者たちだと言う認識も持つ。民族文化根付いているため、これを扱った民謡まである文化人類学寺田和夫(1928-1987)訳(岩波新書インカ帝国』P.69掲載によればワッケーロ老人昼間から夜通し方々土器求めて掘り歩く様子が(そしてかつては恋人がいたことも)描かれている。

※この「現代のワコ掘り」の解説は、「ワッケーロ」の解説の一部です。
「現代のワコ掘り」を含む「ワッケーロ」の記事については、「ワッケーロ」の概要を参照ください。

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