王者の認定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 08:30 UTC 版)
創刊当初の1922年から、独自に認定した王者にチャンピオンベルトの授与を行っている。初授与はヘビー級のジャック・デンプシーに、2度目はフライ級のパンチョ・ヴィラに贈られた。この制度は1990年代に一度廃止されたが、2002年より新たに選定基準を整備して各階級ごとにベルト授与を行うようになった。この方針は、既存の世界王座認定団体が、不相応な王者と不相応な挑戦者が対戦するミスマッチを世界王座戦に認定していることは、ボクシングというスポーツを弱体化させているという批判を反映させたもので、厳格な基準を設けることで、それを満たした選手がその階級で真の、そして唯一の世界王者であるという主張を偽りのないものとするために立ち上げられたものである。また、ザ・リングは、既存の世界王座認定団体とは違い、王座戦の認定によって認定料を徴収することを行っていない。 以降はザ・リングの編集委員会に各国ボクシング記者から成るランキング諮問委員会を加えたメンバーの選考により、毎月独自に各階級およびパウンド・フォー・パウンドで世界10位までの選手を格付けした順位を発表している。この格付けは3つの要素によって決定される。まず第1に結果。次に、勝利または敗北においてどのようなパフォーマンスを見せたかということ。さらに、対戦相手の質を考慮した上での最近の戦績である。 2012年上旬までの王座認定ルールは以下の通りであった。各階級のランキング1位選手と2位選手(特例として1位と3位)が対戦した場合、その勝者が王者として認定され、これらの対戦がない場合、王座は空位となる。王座が失われるのはタイトルマッチで負けた時、他の階級へ転向した時、選手が引退した時、の3つの場合だけである。 しかし多くの階級で王座が空位の状態が続いたため、上位ランカー同士の対戦を促し空位の王座を埋めようと、2012年5月に新しい選考ルールが発表された。新ルールでは1位選手と2位選手が対戦した場合、あるいはそのいずれかが3位から5位までの選手と対戦した場合、その勝者が王者と認定される。王座が失われるのは、王者が自らの階級で試合に負けた時、他の階級へ転向した時、どの重量であれ18か月試合を組まない時、別の重量で試合をしたとしても自らの階級では18か月試合を組まない時、どの階級でもよいが5位までの選手と2年間試合を組まない時、選手が引退した時、の6つの場合である(下線部は変更箇所)。しかし、これは選考レベルの引き下げであり、競技水準の低迷にザ・リングが加担することはないとの批判的な見方もある。 2007年にゴールデンボーイ・プロモーションズに買収されると、2011年に編集長ナイジェル・コリンズと複数の編集スタッフが解雇され、それに続く、ランキング諮問委員会メンバーに対する辞任圧力、新規に雇用された編集スタッフによる一連の問題のあるランキング格付け行為により、2012年に新たなランキング格付け団体「トランスナショナル・ボクシング・ランキング・ボード」が設立されている。
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