狙撃の目撃者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/12 02:59 UTC 版)
ケネディ狙撃の瞬間は白昼大勢の市民が見ている前で起こった事件なので、事件当日もテレビのインタビューを受ける市民はいたが、「銃」を持った人物を見た市民となるとスチームパイプ修理工のハワード・ブレナン(44歳)が目撃している。彼はちょうど教科書倉庫ビルの道路を挟んで真向かいにいて、そこはヒューストン通りとエルム通りの角の壁の上に腰掛けていた。教科書倉庫ビル6階の窓から約35mしか離れていない。彼は銃撃の数分前に窓に立つ男を見ていたが、バーンという最初の音を聞き、次に花火のような音を聞いて後に上を見上げると、男が最後の射撃の狙いを付けて、左の窓の下枠に体をあずけ、銃を右肩にあてて、左手で銃を支えながら最後の一弾を発射したところを見ていた。男は体重がおおよそ72~77キロで明るい色の服を着ていたという。但し彼はその日の午後に行われた容疑者の面通しでオズワルドを指名していない。陰謀で大統領は殺されたと感じ、もし目撃者とされたら自分が安全とは言えないと思ったからである。 また自動車パレードに後方で走っていた「ダラス・モーニング・ヘラルド」のカメラマンが1発目の銃声を聞いた後に、教科書倉庫ビルの窓から銃が見えたことを述べている。 一方、前方から発射されたと証言する人もいた。ユニオン・ターミナル鉄道の管理職スターリング・M・ホランドは、この時に会社の業務で大統領の車の前方のフリーウエイの陸橋で信号の点検を行っていた。彼によれば発砲があって直後に左を見ると木立の下の地面から立ち上がる「ひとすじの煙」を見たという。そしてその辺りに向かって走り、そこで12~15人の警察官と私服警官が空薬莢を探しているのを見たと述べた。 スタッフのスターンはこのホランドの証言をずっと後になってからも気になっていた。しかし誰も深刻に受け止めるスタッフがいなかったという。ベリンは逆にホランドは正直だが間違っているとして、前方にある≪草の生えた塚≫には結局、空薬莢も何も発見されず、また事件当時そこには数人が立っており、犯人がライフル銃をそこで発射できたとは想像できないとしている。
※この「狙撃の目撃者」の解説は、「ウォーレン委員会」の解説の一部です。
「狙撃の目撃者」を含む「ウォーレン委員会」の記事については、「ウォーレン委員会」の概要を参照ください。
- 狙撃の目撃者のページへのリンク