火災の発見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/06 23:13 UTC 版)
午後11時20分ごろ、最終幕の準備が進んでいる間、ステージ・マネージャーJ・W・ソープにはステージの左側に小さな炎が見えた。火は、センター・ステージのボーダーライト近くのリギング・ロフトの下にぶら下がっているドロップの下部から発していた。キャンバスは一部フレームから切り離されていたし、ソープは考えた、ことによると金網のボーダーランプガードをすり抜けて点火したのかもしれない。彼は、その寸法が自分の片手よりも大きくない、と推定した。水バケツ複数はかつてステージ上とリギング・ロフトに保管されていたけれどもそして2インチ半(6.4 cm)の水パイプはまだ舞台裏で消火ホースに使用されていたけれども、これらのどれも施設はすぐに利用できなかった。ソープは消火ホースを考えたが、途中にたくさんのシーナリーがあった。彼は、ホースが置かれるときまでに火事は順調に進んでいるであろうと判断し、すぐに利用できる手段で炎を消すことを選んだ。彼は大工ハミルトン・ウィーバーおよびウィリアム・ヴァン・シッケンに消火するよう指示した。舞台裏にいた別の大工は、グルーヴの1つにあるドロップを直そうとしたが、しかし「手でほとんど届かず、急いで引っこめた。半分点火された高可燃性の帆布の空気中の急速な動きにより、それは急に炎に燃え上がり、すばやくひろがった」("could barely reach it with his hand and he drew it hastily up.The rapid motion through the air of the half ignited and highly inflammable canvas, caused it to burst into a flame, which rapidly spread")。 舞台裏の職員らが火を制御するために急いでいる間、カーテンは上がった。せりふを数行話した後、ケイト・クラクストンは、リリアン・クリーブスから警告を受けた、クリーヴスはボックス・セットの後ろに立っていた。彼女は、ステージ上で火事があることをキャンバスごしに『ソットボーチェで』ささやき、彼らに立ち去るようけしかけた。クラクストンは、薄っぺらな帆布ごしにのぞき込んで、「火花が落ち、火の小さな舌がフライにぶら下がっているドロップやボーダーの端を舐めている」("sparks falling and little tongues of the fire licking the edges of the drops and borders that hung in the flies")のが見えたことを思い出した。 がそれにもかかわらず、俳優らは演技を続け、どうやらあらゆる異常な行動はパニックを引き起こすだけだと考えていたようである。ミセス・メアリー・アン・ファレンは登場し、最初のせりふを言ったのちに、そっとささやいた「火は着実に増えているわ」("The fire is steadily gaining.") 俳優らは少しの間だけ登場人物を維持し、観客はますます落ち着きをなくした。努力にもかかわらず、舞台係らは火を消すことができなかった。代わりに、彼らは不注意にも燃えている物質を自由に叩き、リギング・ロフトに火を広げていた。炎をあげている残骸が落ち始め、ボックス・セットその他のプロパティの上に降り、舞台裏に広がった。中央平土間に座っているディキンソンには、身動きできないシーンの天井にそって渦巻いている煙の薄い環が見えた。「その直後、帆布天井の一角が上げられ、開口部から炎が見え、男らが長い棒で[ボックスセットの]天井から火をかきよせようとしているのが見えた」("Immediately afterward, one corner of the canvas ceiling was raised, and through the opening thus made I saw the flames, and saw men trying to rake the fire off the ceiling [of the box set] with long poles.")くすぶっている残骸がステージ上に落ちたために、俳優らは作中人物をやめた。すでに落ち着きをなくした観客の多くは、席から起ち上がり通路に押しかけ始めた。
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