火災の統計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 14:39 UTC 版)
火災の出火原因は、放火などの「故意による事象」、天ぷら油火災などの「過失による事象」、コードの短絡などの「不慮の事象」、落雷などの「自然現象の事象」の4つに大きく分けられる。しかし、これらの原因の表記が一様に定まらないことから、火災原因を統計として扱いやすくするため、火災に対し「発火源」「経過」「着火物」「出火箇所」の分類コードを用いて統計処理している。例えば、天ぷら油で火災となった場合には、発火源=ガステーブル、経過=放置、着火物=動植物油、出火箇所=台所となる。この統計法は、日本火災学会で作られた。これらが総務省消防庁から「火災報告取扱要領」として通知されており、この要綱に従って、市町村の消防機関から都道府県、国へと報告し、火災の全国統計としている。全国で、火災の統計が正確に実施されていることが、火災予防に役立っている。昭和50年代ではガス風呂釜の空だきによる火災が多発したが、統計結果から条例化により空だき防止装置の組み込みがなされ、また、白熱スタンドの転倒OFFスイッチなども同様で、これらの同種の火災が激減したように、火災予防の対策資料としてなってきた。現在では、子供の火遊びの「簡易ライター」の簡便すぎる発火機構が問題となっているが、これらの火災統計結果が製品安全へと向かっている。消防の火災調査活動は、正確な調査結果に基づく統計の仕組みが、今まで、多くの火災予防対策へとつなげている。
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