清水潔の著書との類似
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「チェイス 第1章」の記事における「清水潔の著書との類似」の解説
新潮社 『殺人犯はそこにいる――隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』を刊行した新潮社は、2017年12月に「弊社および清水氏はドラマ『チェイス』の制作について何ら関知いたしておりません」としたうえで「映像化につきましては、書籍発売後から数多くのお話を頂戴しておりますが、事件の被害者であるご遺族の感情に配慮し、弊社および清水氏は慎重を期して検討を進めております」とのコメントを発表するなど、映像化には被害者や遺族らに対して配慮が必要であるとの姿勢を表明している。 翌年1月、新潮社は『チェイス 第1章』を配信するアマゾンジャパンに即時配信停止を申し入れた。産経新聞社の取材に対して、新潮社ノンフィクション編集部の編集長は「ドラマを検証した結果、物語の展開やセリフ、情景描写など多くの類似点が見つかった。アマゾン側から映像化の申し入れはなかった。映像化については事件の被害者である遺族の感情に配慮し慎重を期している」と説明している。 日本テレビ放送網 清水潔は日本テレビ放送網の『NNNドキュメント』にて足利事件など一連の幼女殺害事件の調査報道を地道に続けてきたが、日本テレビ放送網も「本ドラマ制作にあたり両社および本ドラマ関係者から、当報道局には一切の相談・通知もありませんでした」と説明している。そのうえで「本ドラマは、当報道局はもとより被害者遺族への連絡・取材なども一切無く、事件被害者らの描写について多くの点で本件報道と類似点のある内容で制作・配信された」と指摘したうえで「当報道局としては倫理的にも著作権法的な見地からも到底看過できません」とのコメントを発表し、2018年1月にアマゾンジャパンとジョーカーフィルムズに対して抗議した。 『チェイス 第1章』制作スタッフ 清水の著書との類似が問題視されるようになると、このドラマの共同プロデューサーを務める四宮隆史は『殺人犯はそこにいる――隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』を刊行直後に読んでいたことを認め、「足利事件に限らず、未だ解決の目処が立たない未解決事件を、未解決のまま放置しておくべきではない」と感じたので「架空の連続ドラマという『入りやすい入り口』で表現することにより、広い範囲の人と共有することができ、結果として真相解明に向けた糸口が見つかるかもしれない。こんな想いから、ドラマ《チェイス》の制作を企画しました」と主張している。 ただ、四宮が同書を読んでいたと認めて以降も、このドラマを制作したジョーカーフィルムズは「複数の文献や判決文等に記載された、客観的に明らかとなった周知の事実を踏まえて『架空の物語』を創作したものであり、特定の書籍に依拠したものではありません」と主張し続けており、足利事件など一連の幼女殺害事件の被害者や遺族らに対して謝罪していない。 清水潔 『殺人犯はそこにいる――隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』を執筆した清水は、日本テレビ放送網にチーフディレクターとして勤務している。そのため、清水は「私はテレビ局員で普段はチーフディレクターという立場です。自らでドラマを撮った事もあり、自著『殺人犯はそこにいる』を簡単にドラマ化にして良いなら、とっくの昔に自分でやってます。なぜそこに想いが至らないのか」と苦言を呈している。 また、2018年1月には「何より大切なことは遺族への配慮です。現実に起こった事件の『殺害の瞬間』描写など『ドラマ化』してはならないと考えています。これは日テレの足利報道や、桶川報道でも実践してきました」と批判したうえで「もしもあなたの大切な誰かが不幸な最期を迎え、悲しみの中で暮らしている時、ある日突然にその不幸をエンターテイメントの題材にされ、『架空の事件』なのだと再現映像化された時、あなたはそれを許すことができるのでしょうか?」と疑問視している。
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