法制度の歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/06 23:32 UTC 版)
Clip 最下部にDenominación de origen(DO)と、中央部にReserva(レセルバ)と記載されたラベル かつてスペインのブドウ農家は自家で生産したワインを貿易業者に安く買いたたかれていた。ブドウ農家の独立の機運が高まると、1902年にはリオハ産ワインの原産地を定める王令が制定され、1926年にはリオハに原産地呼称統制委員会が設立された。1932年にはワイン法が制定され、デノミナシオン・デ・オリヘン(DO)と呼ばれる原産地呼称制度が導入された。ヘレスやマラガなどにも原産地呼称統制委員会が設立され、各地域の統制委員会はスペイン産ワインの品質向上に寄与した。1930年代後半のスペイン内戦終結後には、リオハの原産地呼称統制委員会が法的地位を得た。 フランコ体制下の1970年にはワイン法が改定され、「ブドウ畑、ワインおよびアルコール飲料に関する法令」が制定された。フランスの国立原産地・品質管理機関(INAO)に相当するスペイン国立原産地呼称協会(INDO, 現品質呼称局)が新設され、全地域の原産地呼称統制委員会を監督するようになり、DO認定ワインの品質管理制度が強化された。国立原産地呼称協会は、各地域におけるブドウの栽培面積、地域の境界限定、栽培品種、植樹密度、収穫量、灌漑規制などや、ワインの収量、醸造法、アルコール度数、総亜硫酸量、揮発酸度、官能試飲検査などを定めた。また、既存のDO認定地域の管理を強化する一方で、国立原産地呼称協会は新たなDOの開拓にも積極的に取り組んでいる。 1988年にはそれまでの原産地呼称の上位区分として特選原産地呼称(DOCまたはDOCa)が導入され、1991年にスペイン初のDOCaとしてリオハ (DOCa)が、2009年に2番目のDOCとしてプリオラート (DOQ)が認められた。2003年にはワイン法が大幅に改定され、生産地域が畑単位で厳密に定められた畑限定原産地呼称(VP)が導入された。畑限定原産地呼称はカスティーリャ=ラ・マンチャ州の生産者による要望がきっかけで誕生し、当初は4件すべてが同州に存在したが、2009年から2010年にかけて5件増加し、特にナバーラ州から3件が指定された。
※この「法制度の歴史」の解説は、「スペインワイン」の解説の一部です。
「法制度の歴史」を含む「スペインワイン」の記事については、「スペインワイン」の概要を参照ください。
- 法制度の歴史のページへのリンク