水質改善の取り組み
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 06:24 UTC 版)
伊勢湾に流れ込む河川の流域住民や行政の協力によって下水処理場や工場での排水規制や農業での肥料使用量の削減、畜産業での家畜排泄物の適切な管理等の富栄養化対策が進められてきた。しかし、今なお夏季の貧酸素水塊の解消には至っていない。 一方で、富栄養化対策が一定の効果を見せ、伊勢湾の栄養塩の濃度が、夏季以外にも周年を通して全体的に低下してきた事に伴い、植物プランクトンの量の低下を招いたとも言われる。近年では伊勢湾中南部の沿岸を中心に、アサリやシジミ等の二枚貝は餌不足等によって漁獲量が減少し、また、コウナゴ等の小型魚類の漁獲量も低迷しているなど、漁業への悪影響も懸念されている。 そこで、貧酸素水塊を解消する対策として、夏季に海水の流動性を向上させる事が必要と考えられている。1つ目は、港湾や防波堤内などの人工構造物によって発生した停滞水を、何らかの方法で流す、言わば、水平方向の海水の流動性の確保である。もう1つは、鉛直方向の海水の流動性の確保である。一般に垂直な護岸は、吹送流などによって発生する、湧昇流のような鉛直方向の海水の流れを阻害する。何らかの方法で、底層水と表層水の混合を常に行うなどして、底層に貧酸素水塊が滞留しないように、表層の溶存酸素が底層へと供給されるようにするわけである。
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水質改善の取り組み
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 23:07 UTC 版)
1966年に福岡県と北九州市は、公共用水域の水質の保全に関する法律および工場排水等の規制に関する法律に基づき、国に要請し、1974年1月14日から、その時点で約480万㎥も海底に溜堆積していた汚泥(ヘドロ)の浚渫を開始した。これを皮切りに、工場廃水に規制を遵守させて浄化処理を徹底させたり、さらなるヘドロの処理などの水質浄化の対策を幾つも行っていった。また、北九州市の下水道の普及を進めて生活排水の処理を徹底していった。この結果、洞海湾の水質は改善され、再び海生生物が湾内にも戻ってきた。 さらに、そこに棲息する生物によって水質を浄化する能力が高いとされる、干潟を人工的に作り出す実験も実施中である。 ただ、海面付近の海水の状態は改善しても、洞海湾の海底には、ダイオキシン類の環境基準を超過する底質汚染が見られるとの旨を、2007年に行政が公開した。
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