水質改善へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/25 07:02 UTC 版)
1970年(昭和45年)に芦田川流域自治体でつくる「芦田川水系の水を守る会」が結成され、水の調査や自然体験会などを開いて、水質改善に向けた取り組みが始まる。2004年(平成16年)には、国や市および市民団体で「芦田川環境マネジメントセンター(AEMC)」を設立、官民をあげて改善へと動いていく。 AEMCは水質悪化の原因を支流高屋川の悪化が主因と見ている。この川は、福山のベッドタウンである神辺中心を流れているが、当地は下水道整備が遅れており(2010年現在、流域の普及率4割)生活排水が河川に流入して、そもそも流量自体少ないことも相まって、水質悪化に繋がっている。AEMCは改善に向け、高屋川流域および更に芦田川下流にある支流瀬戸川流域の住民に生活排水を川へ流さないよう呼びかけている。国土交通省は、芦田川と高瀬川の合流部に「高屋川河川浄化施設」、芦田川から河川水を浄化用水として高屋川に流し流量を増やす「浄化用水導入事業」、と中津原地区に2事業を行った。 また、AEMCの考えとは別に、河口堰による汽水域の消滅も水質悪化の原因とする見解もある。河口湖は富栄養化が進みアオコが発生しているが、河口堰を管理する国交省は上記の高屋川事業により河口湖の改善もできるとしている。地元市民団体を中心に水門の常時開放を願う嘆願書を国交省や市に提出していたが、堰開放により上流からヘドロが流入し漁場が荒れるとして開放に否定的な漁師もいることもあり、国交省は水の入れ替え促進を目的とした「弾力的放流」を継続的に行っている。 2013年(平成25年)10月22日、「芦田川環境マネジメントセンター」などと活動が重複することから、4市1町(福山、府中、尾道、井原、世羅)でつくる「芦田川水系の水を守る会」が年度末での解散を決定、43年の活動に幕が閉じられる。
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