気質か人格か
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 09:48 UTC 版)
「ビッグファイブ (心理学)」の記事における「気質か人格か」の解説
生物学的差異が気質の概念を定義するのか、性格の一部を定義するのかについて、気質研究者と性格研究者の間で議論がある。文化以前の個人(動物や幼児など)におけるこのような違いの存在は、性格が社会文化的概念であるため、文化以前の個人が気質に属することを示唆している。このような理由から、発達心理学者は一般に、子供の個人差を性格ではなく気質の表れと解釈している。一部の研究者は、気質と性格の特徴は、事実上同じ潜在的性質の年齢特異的な発現であると主張している。幼児期の気質が青年期や成人の性格特性になるのは、個人の基本的な遺伝的特性として、環境の変化に積極的、反応的、受動的に相互作用するためだと考える人もいる[要説明]。 成人気質の研究者は、性、年齢、精神疾患と同様に気質は生化学的システムに基づいているが、性格はこの4つのタイプの特徴をもつ個体の社会化の産物であると指摘している。気質は社会文化的要因と相互作用するが、これらの要因によって制御されたり容易に変化したりすることはできない。したがって、気質はさらなる研究のための独立した概念として維持されるべきであり、性格と混同されるべきではないことが示唆されている。さらに、気質は行動の力学的特徴(エネルギー、テンポ、感度、感情に関連した)を指すが、性格は人間行動の内容的特徴(価値観、態度、習慣、好み、個人歴、自己イメージなど)からなる精神・社会的構成物と考えられるべきである。ビッグファイブの開発者が現存する気質研究に対して注意を払わないことによって、その次元とはるか以前に複数の気質モデルで説明された次元との間の重複をもたらすと気質研究者は指摘する。例えば、神経症傾向は伝統的な気質の感情的側面を反映しており、外向性の気質の側面は「エネルギー」または「活動」であり、開放性の気質の側面は感覚を求めることである。
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