残る対面通行区間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 02:30 UTC 版)
「東海北陸自動車道」の記事における「残る対面通行区間」の解説
最後の4車線化未整備区間となる、飛驒トンネルを含めた飛驒清見IC - 小矢部砺波JCT間 (67.5 km) については「10.7 kmもの長大トンネルでの対面通行はドライバーにとって大きな負担」と安全性を懸念する声があり、実際に飛驒トンネル内で衝突死亡事故が発生しているほか、隣接する保トンネルや城端トンネルでも正面衝突による死亡事故が発生している。 これに対し道路を管理するNEXCO中日本では、2012年度から5年間の経営計画で「より安全・安心・快適にご利用いただくために、東海北陸自動車道(飛騨清見IC - 小矢部砺波JCT)など、対面通行区間(暫定2車線)を4車線化する検討を進めます。」と記載するに留めており、対策の具現化はされていない。4車線拡幅の目途となる交通量が1日1万台とされる中で、当該区間は最も交通量の多い福光IC - 小矢部砺波JCTでも1日6,900台(休日は8,900台、いずれも2012年7月 - 翌2013年6月実績)となっており、今後の動向も不透明な状況である。 富山県では、2015年(平成27年)3月の北陸新幹線新高岡駅開業や能越自動車道の七尾方面延伸、また同年7月に小矢部市にオープンした三井アウトレットパーク北陸小矢部などの外的要因によって東海北陸道の利用者が増加すると見込まれること、南海トラフ巨大地震など有事の際に北陸から東海地方を支援する大動脈となること、全区間で用地取得済みであり早期の完成供用が期待できることなどから引き続き早期事業着手を関係機関に求めていく方針で、富山県選出の野上浩太郎国土交通副大臣の音頭取りで国土交通省・NEXCO中日本・富山県・岐阜県による「東海・北陸地方間のネットワーク交通課題検討会」が2014年(平成26年)6月に設立された際には歓迎の意向を示している。 また、2016年(平成28年)6月7日に国土交通省は暫定2車線区間における付加車線設置の検証路線(4路線・5区間)を公表し、その1つとして東海北陸道の飛驒清見IC - 小矢部砺波JCT区間が選定された。全国的に速度低下率が25 %以下となっている暫定2車線区間を抽出して当該区間の付加車線の設置により安全性・走行性の向上を目指すというものであり、これにより試行段階ながら全線4車線化されるまでの暫定的な措置が取られる事となった。付加車線は城端トンネル北側 - 福光IC間(4.7 km)および南砺SIC - 小矢部砺波JCT間(5.3 km)に設置される予定であり、このうちの城端SA - 福光IC間(2.3 km)が2020年(令和2年)11月7日に供用開始された。残りの区間においても2022年(令和4年)度までに順次完成する予定。 さらに、2019年(平成31年)3月29日に白川郷IC - 五箇山IC間の4車線化について国土交通省より事業許可を受けることとなったほか、同年(令和元年)9月4日には国土交通省、が残りの暫定2車線区間についても2028年度(令和10年度)から2033年度(令和15年度)を目処に4車線化する方針を示した。
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