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柔小町【ヤワラコマチ】(食用作物)

※登録写真はありません 登録番号 第7084号
登録年月日 1999年 3月 17日
農林水産植物の種類
登録品種の名称及びその読み 柔小町
 よみ:ヤワラコマチ
品種登録の有効期限 20 年
育成者権の消滅  
品種登録者の名称 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
品種登録者の住所 茨城県つくば市観音台三丁目1番地1
登録品種の育成をした者の氏名 西山壽、八木忠之、平林秀介、山下浩、滝田正、齋藤薫福岡律子
登録品種の植物体の特性の概要
この品種は,「ニシホマレ」に低アミロース系統「探系2021」を交配して育成され固定品種であり,育成地(福岡県筑後市)における成熟期中生の晩,稈長はやや短,アミロース含量のやや低い水稲粳種である。型は中間型,稈長はやや短,稈の細太及び剛柔は中,止葉直立程度は立,葉身及び葉鞘の色は緑である。穂長,穂数及び粒着密度は中である。穎色は黄白,ふ先色は黄白-黄,有無多少は稀である。玄米の形,大小及び精玄米千粒重は中,見かけ品質は中の下,食味上の下である。出穂期及び成熟期中生の晩,耐倒伏性はやや強,脱粒性は難,収量性はやや多,穂いもち病ほ場抵抗性は中,いもち及び白葉枯病ほ場抵抗性はやや弱である。アミロース含量はやや低である。「ニシホマレ」と比較して,精玄米千粒重小さいこと,脱粒性が難であること,アミロース含量が低いこと等で区別性認められる
登録品種の育成経過概要
この品種は,昭和63年九州農業試験場福岡県筑後市)において,「ニシホマレ」に低アミロース系統「探系2021」を交配し平成元年雑種第2代個体選抜以後系統育種法により育成され固定品種であり,4年から生産力検定試験及び特性検定試験6年から「西海215号」の名称を付して地域適応性試験等行い7年にその特性を確認して育成完了したのである7年雑種第8代である。



柔小町

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 14:17 UTC 版)

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柔小町
イネ属 Oryza
イネ O. sativa
交配 ニシホマレ×探系2021
亜種 ジャポニカ O. s. subsp. japonica
品種 柔小町
開発 九州沖縄農業研究センター
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柔小町(やわらこまち)は、2000年平成12年)に九州沖縄農業研究センターで育成されたイネ(稲)の品種[1]。旧系統名は「西海215号」[1][2]。「ニシホマレ」と、「金南風」の突然変異系統で、dull遺伝子を持つ低アミロース系統の「探系2021」[2]との交配によって育成された低アミロース米の品種である[1][2]

概要

暖地の平坦地から中山間地および温暖地西部の平坦地に適応するとされ[2]九州での栽培に向く[3]。熟期は育成地である福岡県筑後市では中生の晩で「ニシホマレ」並[2][3]。登熟期の気温が高いと玄米に低アミロース米にはよく見られる白濁を生じるが、登熟期間の気温が平年並みの場合だとほとんど白濁しない[1][2]

アミロース含量は12%前後で、低アミロース米としてはやや高め[3]。炊飯米は「ヒノヒカリ」並の良食味で、粘りは「ヒノヒカリ」より強い[2][4]。また、他品種とのブレンド米の食味を向上させる効果も高い[2][4]

いもち病真性抵抗性は「ニシホマレ」と同様のPiaと推定され、葉いもち圃場抵抗性は「やや弱」、穂いもち圃場抵抗性は「中」であり、白葉枯病圃場抵抗性は「やや弱」である。

育成

育成の背景

低アミロース米では,低アミロース化により米の胚乳が白濁し,糯臭が強くなることが欠点とされてきた[2]。米のアミロース含有率は登熟期間の温度による影響を受けやすく、高温では低下するため[5]、登熟期間が高温となりやすい極早生~早生種の低アミロース品種はこの問題が大きくなる[2]。従って、登熟期間が比較的低温となってアミロース含有率が低下しにくく玄米の白濁が生じにくい、中~晩生熟期群の低アミロース品種の育成を目標とした[2]

育成経過

1988年、栽培特性がすぐれ、中生の晩の熟期である「ニシホマレ」を母本とし、低アミロース性遺伝子(dull 遺伝子)を持つ「探系2021」(農業生物資源研究所で育成された「金南風」の低アミロース突然変異系統)と交配した。同年冬にF1(雑種第1世代)を25株養成した[2]

1989年、F2世代で120個体を供試して個体選抜を行い、中~晩生の熟期で米の白濁が少ない14個体を選抜した。以後、系統育種法により選抜を行い固定を図った[2]

1992年、F5世代から「は系半糯272」の系統番号で生産力検定試験、特性検定試験に供試した[2]

1994年、F7世代からは「西海215号」の系統名で関係各県に配布、奨励品種決定基本調査に供試し、地方適応性を検討した[2]

1999年3月17日に第7084号として「柔小町」の名で品種登録され、2000年8月25日に水稲農林364号として命名登録された[2]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d 石谷 2009, p. 150.
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 岡本ら 2001, pp. 127–141.
  3. ^ a b c 石谷 2009, pp. 150–151.
  4. ^ a b 石谷 2009, p. 151.
  5. ^ 舘山, 坂井 & 須藤 2005, pp. 1–7.

参考文献

関連項目



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