東日本大震災時の福島地検いわき支部に関する発言
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「森まさこ」の記事における「東日本大震災時の福島地検いわき支部に関する発言」の解説
2020年3月9日、参議院予算委員会の小西洋之参議院議員の質疑において、「東日本大震災のとき、検察官は福島県いわき市から市民が避難していない中で最初に逃げた。身柄拘束中の十数人を理由なく釈放した」と答弁し、波紋を呼んだ。11日、参議院予算委員会において、森はこの答弁について「不適切だった」と述べ、答弁を撤回した。12日、反発した野党が衆参両院の審議を拒否し、各委員会や本会議が開かれない事態となった。立憲民主党の安住淳国対委員長は「森まさこ法相は自分の部下ともいえる組織に対して誹謗中傷した。当時、福島地検で働いていた人たちを愚弄する発言だ。」と述べ、森を批判した。同日、安倍晋三首相が森を首相官邸に呼び、厳重注意した。16日、参議院予算委員会の金子原二郎委員長は「事実と異なる答弁を行ったことは、極めて遺憾だ」などとし、森に対して厳重注意した。 東日本大震災時における福島地検いわき支部の動向 福島地検いわき支部は2011年3月15日、刑事訴訟法に基づく手続きを経て勾留中の容疑者12人を処分保留で釈放した。福島地裁郡山支部の要請を受け、同支部は16日から23日の8日間、庁舎を一時閉鎖し、その間職員は郡山支部に移っていた。釈放された者の中には窃盗事件の容疑者や強制わいせつ事件の容疑者も含まれていた。法務省は釈放の理由について「容疑者の身体の安全の確保が求められる一方、勾留期間内に関係者を呼び出し、取り調べを行うなど所要の捜査を遂行することが困難となっていた」と説明している。15日の時点で政府はいわき市の一部など原発から30キロ以内の住民に屋内退避を呼びかけており、その時点でいわき市内の一部の市民が自主的に避難していたとされている。一方でいわき市のほとんどは避難区域ではなく、避難せずに住んでいた人々もいた。釈放後に再犯した者がおり、ジャーナリストの門田隆将によると、いわき市民は激怒したとされる。森はいわき市出身の福島選挙区選出議員として、当時から「逃げた」との表現を用いて国会で繰り返し検察を批判していた。当時の江田五月法相は釈放について、「地域の皆さまに心配をかけたことは、率直におわびしなければならない」と謝罪し、後に福島地方検察庁の中村明検事正は事実上の更迭となった。
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