本来の名称とオムニ・スフィア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/10 06:26 UTC 版)
「ラムダ・ドライバ」の記事における「本来の名称とオムニ・スフィア」の解説
作品世界において、物理世界は一種の精神世界である《完全領域》(オムニ・スフィア)と相互に干渉しており、人間の意思は生身の状態でもオムニ・スフィアを通して分子が揺らぐ程度の干渉を物質に与えているとされる。 この干渉反応は脳と全身の神経系によって生じており、TAROSにより読み取った使用者の意思とオムニ・スフィアとの干渉反応を「ラムダ・ドライバ」のメインユニットである「小型の冷蔵庫大の、虹色の光の束が納まったシリンダー」へ大電力を与える事による高速連鎖反応で大規模に拡大させる作用が本来のラムダドライバの機能である。 つまり、前述の「ラムダドライバにより斥力を発生させ、それを操る」という説明は本来の用途を隠蔽するための偽装であり、実際にはラムダドライバを起動することによって「使用者の意思による物理世界の書き換え」が実現されている。また作中でも不自然と評されるほどに、兵器としては非効率な人型をしたアーム・スレイブが急速に普及したのは、このTAROSを搭載し最も効率よく稼働させるのが前提であったためだという可能性すら示唆されている。 TAROSの本来の名称は「オムニ・スフィア高速連鎖干渉炉」であり、本作世界の起源に関わる重要な装置である。その研究は数十年前のソ連にある<ヤムスク11>という名称の秘密研究都市で行われ、ソフィアという名の被検体と動物の脳を大量に使用した有機素子によってプロトタイプが製作された。そこで大規模な全力稼働テストを行っていた「1981年12月24日のグリニッジ標準時11時50分」頃に重大な事故が発生、装置を中心として建造された<ヤムスク11>の住人は全て精神汚染により死亡、その時刻に地球上で生まれた子供の脳にも影響を与えた。「ウィスパード」が誕生したのはその時である。 オムニ・スフィアでは、物理空間における時間や空間の制約を受けずに情報を伝播する事が可能であり、その性質とTAROSを用いれば究極的には未来予知や歴史の書き換えすら可能となる。その究極系とも言える装置が終盤で登場した「TALTAROS(オムニ・スフィア転移反応時空通信変容炉)」である。 また原作小説10巻『せまるニックオブタイム』では、クルツ・ウェーバーとその師匠であるヴィルヘルム・カスパーが狙撃を行う際、TAROSを経由せずオムニスフィアから物理世界への干渉を行っていると思われる描写がある。
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