本作の執筆背景
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「ドリトル先生月へゆく」の記事における「本作の執筆背景」の解説
続巻で「月世界3部作」を締めくくる第9作の『月から帰る』は本作から5年後の1933年刊と、前巻までの刊行ペースに比べるとやや長いブランクが生じている。ロフティングは第6作『キャラバン』刊行後からシリーズにマンネリ化を感じ、かと言って作中で主人公のドリトル先生を死亡させるにも忍びなかったことから本作でスタビンズだけを先に地球へ帰還させ、先生を月世界へ置き去りにしたままシリーズを完結させるつもりであった。しかし、本作の幕引きに対してドリトル先生の復活を求める要望が読者から数多く寄せられたことを受け、1932年刊の番外編『ガブガブの本』を挟んで先生を地球に帰還させてシリーズを正式に再開した。
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本作の執筆背景
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「ドリトル先生と秘密の湖」の記事における「本作の執筆背景」の解説
本作が出版されたのは1945年に第二次世界大戦が終結した3年後、1947年にロフティングが没した1年後であるが、第3部でドロンコの口伝において語られる全世界を支配下に置こうとした独裁者・マシュツ王はアドルフ・ヒトラーが、そのマシュツ王が君臨するシャルバはナチス・ドイツがモデルになっているのではないかと指摘されている。第4部15章ではドロンコよりマシュツ王が採った愚民政策について語られているが、これはヒトラーユーゲントに代表される青少年教化を暗示するものと解釈され、また第4部16章においてベリンダが「アジアから来た外国人」とエバーとガザの子孫達、すなわちアメリカ大陸の民が戦争をしていると述べているのは(1840年代という作中の時代設定には全く合致しないものの)太平洋戦争を指しており、すなわち「アジアから来た外国人」とは日本人のことではないかと指摘されている。こうした記述より、枢軸国陣営の全体主義が世界を席巻することに対する著者の危機意識が本作の執筆背景に有ったのではないかと解されるが、こうした作中の時代背景に執筆時の世相を反映させる手法に対しては批判も存在し、エドワード・ブリッシェンは1968年に刊行されたロフティングの評伝("Three Bodley Head Monographs "所収)において本作の後半部分を「失敗作」と断じている。 なお、ロフティングは第一次世界大戦において西部戦線で従軍した経験より反戦運動を強く支持しており、1942年には"Victory for the Slain"(滅亡に至る勝利)と題した戦争の無益さを訴える詩を発表しているが、この詩は真珠湾攻撃を受けて日本と交戦状態に突入したアメリカでは公刊されず、ロフティングの母国・イギリスでのみ公刊された。
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