木造天守の復元計画
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広島市の木造復元の計画は1989年(平成元年)にあり、「広島城跡保存管理計画書」と「広島城跡整備基本計画書」の2冊の広島城跡の整備計画の計画書の中で示されていた。当時の復元整備計画では主に二の丸と本丸の第1期と第2期に分けられ、本丸で復元する城郭建造物としては、中御門、裏御門、天守閣・東走櫓・東小天守・南走櫓・南小天守等が挙げられ、特に天守閣・東走櫓・南走櫓(一部)については、文化庁所蔵に戦前の実測図と写真があるため、木造造りの精度の高い城郭建造物の復元が可能であると示され、復元事業の期限は1989年(平成元年)から始まり、主に二の丸の復元整備の第1期が計画から5年以内に行われ、二の丸の復元整備が完了した後から、最終目標として1958年(昭和33年)に鉄骨鉄筋コンクリートで再建された現在の天守閣の耐用年数に達するまでに、第2期として、主に本丸及び城跡外周部の復元整備を実施すると示されていた。第1期の二の丸の復元整備は1989年(平成元年)から1994年(平成6年)に復元が完了して終えたが、それ以後の第2期の復元整備の計画は現在に至るまで進んでおらず、止まったままであった。 再建後、60年以上経過している鉄骨鉄筋コンクリート構造の現天守は老朽化による、耐震性の問題があり、耐震診断調査の結果、震度6から7で倒壊する恐れがあるとされていた。その為、耐震対策が課題になっていて、広島市は天守を補強や木造で復元するのかの判断を迫られていた。2020年(令和2年)5月に市は31年前の「広島城跡整備基本計画」で示された方向性のうち取組が十分に行われていない事項(主に第2期の本丸の復元整備など)、優先的に推進すべき事項や詳細に示されていない事項に関する方向性を示すなど、今後の取組の基本的な指針として「広島城基本構想」を策定した。2021年(令和3年)3月16日に松井一実広島市長は市議会予算特別委員会で「木造復元を目指す本格的な調査、検討を進める」などと述べ木造で再建する方針を示した。事業費は86億円と見込んでいる。 ウィキメディア・コモンズには、広島城天守に関連するカテゴリがあります。 広島城天守東側 広島城天守 望楼部分
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