木炭を使用するもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/05 22:36 UTC 版)
「Kamado Jiko」の記事における「木炭を使用するもの」の解説
東アフリカでは調理用の燃料として木炭が普通に使われており、昔から木炭は金属製のストーブまたは現地でジコと呼ばれる物で燃やされていた。調理の燃料として場合によっては炭が好まれる理由は以下である。 熱量が高い。水分含有量15%の薪は16MJ/Kgであるのに対し、水分含有量5%の木炭は31.8MJ/Kg 重量あたりの熱量が高いので長距離を輸送する場合は薪を輸送するより経済的 保管の際にも薪より場所を取らない 薪と違い虫食いやカビに侵されない 煙をほとんど出さないので街中や都市部での使用に適している 他に木炭の特徴として、いったん火が付けば薪のように絶えず燃料をくべる必要がなく空気窓を閉じれば弱火が維持され煮込み料理に向くという利点があり、逆に一酸化炭素は薪を三つ石かまどで燃やした場合より多く、特に火力が高い場合は危険なレベルに達する欠点がある。 東部タンザニアでは森林にある木はほとんどが木炭作りに向いた種類であるが、棘があって扱い難い木や軽くて熱量の低い種類の木は敬遠される。しかし木を選べるのは木が豊富な地域に限られ、既に森林が劣化し木が不足している地域では種類を選ばずに木を切り倒して木炭にする。木炭生産が森林資源に影響を及ぼした例として、ダルエスサラームの西側と北側の密林24.6%の劣化と19.58%の伐採、流域地帯の開けた林の50.8%の伐採は市内に供給する木炭生産が原因であるとする調査がある。 FAOは1人当たりの燃料の年間消費量を見積もる際は、旧来の低効率な薪ストーブや三つ石かまどで調理した場合は含水率30%の薪で1200kg、高効率の薪ストーブ使用の場合は450kgで計算する。木炭の場合は1人当たりの年間消費量は約60kg~120kgの範囲だが計算には100kgを用いている。FAOは100kgの木炭を生産するには輸送中のロスも考慮すれば約700kgの乾燥した木が必要で、木炭100kgの熱含量は乾燥した薪約300kgと同等としている。木炭を焼くにはまず熱で木を乾燥させてから炭化という過程を経るため、原料の薪の水分含有量の差が薪を乾燥するために用いられるエネルギーの差となり、重量比で薪から木炭への変換効率を求めた場合に調査によるバラツキが生じるが薪の熱量の70~80%が木炭を生産するために使用されるという調査結果もある。これらより、薪を木炭にする段階で既にエネルギーが無駄になっているので、薪を高効率ストーブで燃やす事を奨励する方が道理に適っているが、三つ石かまどや劣った設計の薪ストーブは熱効率が3~5%の低さにまで落ちる事があるのに対し、伝統的な木炭ストーブでも23~28%の熱効率はあるので木炭の方が良い場合もある。
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