木炭電池
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 01:18 UTC 版)
「空気アルミニウム電池」および「空気電池」も参照 木炭とアルミ箔(またはアルミ缶)、食塩水で作る金属空気電池の一種である。備長炭を用いたものを「備長炭電池」、脱臭剤などに使われている活性炭で作ったものを「活性炭電池」とも呼称する。米村が自由学園で講師として物理の授業を受け持っていたときに考案したものである。自由学園の伝統である新入生が自分で使う机と椅子を自作するようすをみて、米村が「これと同じ発想で、電磁気を学ぶなら電気を作るところからはじめよう」という考えが原点であった。 米村は最初、ボルタ電池を試した。もっと強力な電池が作れないものかと調べ、高校の化学の教科書に空気電池の説明が数行あるのを見つけた。試行錯誤の上、アルミ箔の上に食塩水で湿らせた紙を置き、その上に脱臭剤の中から取り出した活性炭をばらまき、さらにその上にアルミ箔を重ねた「活性炭電池」を考えだした。この「活性炭電池」を上から適度な力を加えて押し付けると模型用モーターが回る程度の電力がとりだせる。 この活性炭電池を授業で披露し、「冷蔵庫にある脱臭剤から電池が作れラジオの電源としても使えるので、停電のときなど非常用の電池になる」という話をした。ところがある生徒から「ウチの冷蔵庫には脱臭剤がありません」という反応があった。そこで、米村は活性炭の作り方を調べたところ、焚き火のときに炭火になった薪に水をかけて火を消した消し炭が活性炭になることに気がついた。 米村は、焚き火で作った消し炭をアルミ缶に固く詰めた電池を作った。米村はこれを「リサイクル電池」と名付けた。この電池は、1996年、「強力なリサイクル電池の発明」として科学技術庁長官賞を受賞した。
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