有酸素運動の効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 09:59 UTC 版)
有酸素運動を行うことによって多くの健康促進効果が期待できる。 心肺機能、酸素摂取能力の改善呼吸筋を発達させ、外呼吸(肺と外部との空気の循環、体内への酸素のとりこみ)をよりスムーズにする。 心筋を発達させ、血液の循環をより効率的にする。また、平常時の心拍数を下げる。 骨格筋中の毛細血管の新生を促す。 冠動脈疾患の危険性の減少安静時の血圧を低下させる。 血液中のLDLコレステロール、中性脂肪を減少させ、HDLコレステロール を増加させる。 体脂肪を減少させる。 慢性疾患の発症率低下。特に、冠動脈疾患、高血圧、大腸がん、2型糖尿病、骨粗鬆症の発症率を低下させる。2型糖尿病の予防については糖尿病#治療を参照のこと。 不安や抑うつ感を軽減し、健全感を高める。 脳細胞の増加を促し、脳の記憶機能を活性化する。勉強の4時間後の有酸素運動は特に有効的。 試験前に20〜30分の運動を行うと、反応時間が短縮され、意思決定が明確になるため、タスクに集中して問題をより効率的に解決できる。 生活習慣とがんの関連(抄)(WHO/国際がん研究機関(IARC))関連の強さリスクを下げるもの(部位)リスクを上げるもの(部位)確実 身体活動(結腸) 過体重と肥満(食道<腺がん> 、結腸、直腸、乳房<閉経後>、子宮体部、腎臓)、(略) 可能性大 身体活動(乳房)、(略) (略) 体脂肪と血液中の中性脂肪が減少するのは、有酸素運動で脂肪を消費するためである。ミトコンドリアへの脂肪酸の輸送についてはβ酸化#脂肪酸の動員及びβ酸化#脂肪酸の活性化とミトコンドリア内への輸送を参照のこと。ミトコンドリアにおける脂肪酸のβ酸化についてはβ酸化#β酸化反応および酵素群を参照のこと。ミトコンドリアのマトリックスで生成されたアセチルCoAは酸素を消費してクエン酸回路でエネルギーに変換される。また、骨粗鬆症の発症率が低下するのは運動により身体に適度の衝撃が加わるためと考えられている。 がん予防については、世界がん研究基金とアメリカがん研究協会による「食べもの、栄養、運動とがん予防」(2007年)でのがん予防10か条の1つで、毎日少なくとも30分の運動が推奨されている。また、心臓病予防については、アメリカ心臓協会による2006年版の食と生活の勧告で心臓病と闘うための健康的な食事と生活スタイルのなかの1つで、ほとんど毎日少なくとも30分の適度な運動が推奨されている。
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