β酸化反応および酵素群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 07:39 UTC 版)
β酸化反応は4段階の反応の繰り返しからなり、一順する毎に脂肪酸アシル鎖のカルボキシ末端から2炭素がアセチルCoAとして分離していく。たとえば炭素数が偶数の脂肪酸であるパルミチン酸 (C16) はパルミトイルCoAとしてミトコンドリア内で酸化を受け、これらの反応を7順し、アセチルCoA (CH3CO-S-CoA) を7分子生産する。さらに最後に残された2炭素もアセチルCoAであるため、反応全体では8分子のアセチルCoAが生産される。炭素数が奇数の脂肪酸も同じように反応が進み、アセチルCoAのほか、炭素数3個のプロピオニルCoA (CH3CH2CO-S-CoA) を生じる。このように、β酸化は炭素数に関わらず機能する。 β酸化の4つの酵素と前述アシルCoAシンテターゼを総じてβ酸化酵素群と呼ぶ。 アシルCoAシンテターゼ(中鎖:EC6.2.1.2、長鎖:EC6.2.1.3) アシルCoAデヒドロゲナーゼ(EC1.3.99.2、EC1.3.99.3) エノイルCoAヒドラターゼ(EC4.2.1.17) 3-ヒドロキシアシルCoAデヒドロゲナーゼ(EC1.1.1.35) β-ケトアシルCoAチオラーゼ(EC2.3.1.16) アシルCoAデヒドロゲナーゼ以下4つの酵素が触媒するβ酸化の各段階について詳しく述べる。下記の反応はin vivo内では酸化方向のみに起こるが、in vitroでは可逆的である。
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