β細胞における調節
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/04 17:55 UTC 版)
「グルコキナーゼ」の記事における「β細胞における調節」の解説
グルコースは上述の協同的効果によってグルコキナーゼの活性を速やかに増大させる。 β細胞におけるグルコキナーゼ活性の調節に重要な2つ目の因子は、解糖系の調節に関与する「二機能酵素」("bifunctional enzyme"、ホスホフルクトキナーゼ2/フルクトース-2,6-ビスホスファターゼ(英語版))との直接的なタンパク質間相互作用である。この物理的な結合は、グルコキナーゼの触媒に適したコンフォメーションを安定化し(GKRPの結合とほぼ反対の作用である)、活性を向上させる。 早ければ15分以内に、グルコースによるインスリンを介したGCK遺伝子の転写とグルコキナーゼの合成の促進がみられる。インスリンはβ細胞で産生され、その一部はβ細胞のB型アイソフォームのインスリン受容体に作用し、自己分泌(英語版)によってグルコキナーゼの活性を増幅するポジティブフィードバックループを形成する。さらに、インスリンはA型イソフォームの受容体を介して自身の転写を促進し、さらなる増幅が行われる。 GCK遺伝子の転写は上流または神経内分泌型プロモーターから開始される。肝臓型プロモーターと対照的に、このプロモーターにはインスリンによって誘導される他の遺伝子のプロモーターと相同なエレメントが存在する。活性化を担う転写因子としてはPdx-1(英語版)やPPARγの可能性がある。Pdx-1は膵臓の分化に関与するホメオドメイン型の転写因子である。PPARγは、グリタゾンに応答してインスリン感受性を向上させる核内受容体である。
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