書籍・映画化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/24 06:09 UTC 版)
「ゲルダ・ヴィーグナー」の記事における「書籍・映画化」の解説
長年、リリーとゲルダに関する物語は、デンマークを初めとした世界中で礼賛されてきた。ゲルダによるレズビアンをテーマとしたエロティカの大量発見(1984年)がきっかけで彼らの作品は再発見され、現在では展覧会やオークションも成功裏に終わっている。ゲルダの絵画を集めた特別展は、2015年11月7日から2017年1月8日まで、コペンハーゲン近郊のアーケン現代美術館(英語版)で開催された。 デヴィッド・エバーショフが2000年に出版した小説『リリーのすべて』(旧題:『世界で初めて女性に変身した男と、その妻の愛の物語』、映画公開に合わせて改題)は、世界的ベストセラーとなり多くの言語に翻訳された。この小説には多くの脚色が含まれており、ゲルダは、グレタ・ヴァウド・ヴェイナーというカリフォルニア出身の名士令嬢として登場する。小説は2015年制作の映画『リリーのすべて』の原作となり、ゲルダは史実通りデンマーク人の設定に戻された上で、スウェーデン出身の女優アリシア・ヴィキャンデルによって演じられた。ヴィキャンデルはこの作品の演技で、第88回アカデミー賞助演女優賞を獲得している。映画には、エディ・レッドメイン演じるアイナー/リリーの異性装 (forced feminization) とエロティカを同一視したような脚本への批判が寄せられたほか、性転換した実在の人物の物語をぼやかし事実を切り捨てたこと・アイナーとゲルダの本当の話を伝えていない半フィクションを原作にしたことに抗議の声が上がった。ゲルダの官能的な作品に表現されていると信じる人も多い彼女自身のセクシュアリティについては、小説・映画のどちらでも全く言及されていない。 荒俣宏は『荒俣宏の世界ミステリー遺産』所収の「リリ・エルベの肖像画」(祥伝社黄金文庫、2011年、78~79頁)で、彼女とその配偶者について紹介している。なお、彼女が主に「パリで活躍」したためフランス風に表記しようとしたが、デンマーク大使館へ問い合わせたところ、「ガーダ・ヴェーナ」が現地読みにいちばん近いといわれたので、そう記したという。しかしながら、2016年に所蔵しているゲルダの作品コレクションを書籍化するにあたり、荒俣は大阪大学世界言語研究センターのデンマーク語・スウェーデン語研究室が編纂した辞典 (新谷俊裕, 大辺理恵 & 間瀬英夫(編) 2009) を参考にした。この辞典の表記に則り、2016年に荒俣が出版した本では、ゲルダの名前は「ゲアダ・ヴィーイナ」と表記されている。
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