時代と夜
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/17 10:03 UTC 版)
もともと人というのは日の出とともに起き、日没とともに寝るという、自然のリズムで生活することが主であった。 ただし、夜は全く活動しなかったわけでもない。月が出ている夜は月明りのもと活動することができた。火を使うようになってからは、月が出ていない夜でも、夜の比較的早い段階では一定の活動があったものと考えられる。 昔も今も、人の性的な営みは夜に行なわれることが多い。むしろ闇によって引き起こされる活動もまたあったものと考えられるのである。 灯火が発達するにつれ、夜間に明かりをつけた下で活動が行われるようになった。人と人のつながりが夜に結ばれるようにもなった。イスラム教のラマダーンの期間中は、昼間は断食が義務づけられていて静かで、夜間に親族・知人が会して食事をにぎやかにとる。西欧には「歴史は夜作られる」との言葉も生まれた。 世界各国を見渡せば、夜はやはり大半の人々にとって自宅で静かに過ごす時間帯である。(あくまで少数派にすぎないが)近・現代、しかも特に大都市などでは、夜の前半には活発に活動する人もいる。仕事や学校を終えた後に、遊ぶ時間に使っている人も多い(このため、娯楽施設などは夜の料金を昼間よりも高めに設定している場合がある)。だがそうした人でも、夜も半ばを過ぎると睡眠をとる時間帯となる。 日本などではコンビニエンスストアなど24時間営業する店舗の数は近年増えたが、夜間にこうした施設で照度の高い照明に身体がさらされることが体内時計を狂わせ、健康を害し精神的にも不安定にさせる元凶となっているとしばしば指摘されている。何億年という生命の歴史によってもたらされた人の体内時計は、夜は暗く昼は明るいという自然な状態にあって正常に機能するものなのである。 交通網が発達してからは、夜は昼に比べて車の通行量や公共交通機関の利用客が減少することから、道路や線路の保守工事を夜間(特に深夜帯)に充てているケースも多い。 青少年保護育成条例や風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等により、夜間は青少年(概ね18歳未満)の理由のない単独の外出を原則として禁止しているほか、映画館・ボウリング場・カラオケボックス・ゲームセンター・インターネットカフェ・まんが喫茶等の娯楽施設は青少年の夜間の立ち入りが禁止となっている(都道府県・店舗・時間帯によっては、保護者同伴でも立ち入りを禁じられる場合もある)。
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