明恵の著作
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おもな著書には、浄土宗をひらいた法然の『選択本願念仏集』(選択集)を読んでこれを批判した上述の『摧邪輪』(ざいじゃりん、正しくは『於一向専修宗選択集中摧邪輪』)全3巻、『同荘厳記』1巻がある。 『華厳経』で高唱される菩提心を重視した明恵は、『摧邪輪』・『同荘厳記』において、称名念仏こそが浄土往生の正業であり、もっぱら念仏を唱えることによって救われるとする法然の教説(専修念仏)に対して、その著作には大乗仏教における発菩提心(悟りを得たいと願う心)が欠けているとして、激しくこれを非難している。 40年におよぶ観行での夢想を記録した『夢記』のほか、著作は70余巻におよび、『唯心観行式』『三時三宝礼釈』『華厳仏光三昧観秘宝蔵』『華厳唯心義』『四座講式』『入解脱門義』『華厳信種義』『光明真言句義釈』などがある。明恵の著作を収載した刊本には以下がある。 『明恵上人集』 久保田淳、山口明穂訳注、岩波文庫、初版1981年、改版2009年/ワイド版1994年。 『明恵上人伝記』 平泉洸訳注、講談社学術文庫、初版1980年 『日本思想大系15 鎌倉旧仏教』(岩波書店、初版1971年、新装版1995年)に、田中久夫校注「摧邪輪 巻上」と「却癈忘記」(弟子長円の筆記によるもの) 『日本古典文学大系83 假名法語集』(岩波書店、初版1964年)に、宮坂宥勝校注「栂尾明恵上人遺訓」 『大乗仏典 中国・日本篇 第20巻 栄西 明恵』(中央公論社、1988年) に、高橋秀栄(現代語訳)注解「却廃忘記」と、「光明真言土沙勧信記」 『日本の名著5 法然 明恵』(中央公論社、初版1971年、新版・中公バックス、1983年)に、佐藤成順(現代語訳)注解で「摧邪輪」と、「上人遺訓」 『明恵上人歌集 和歌文学大系60』 平野多恵注解(久保田淳監修、明治書院、2013年)。ISBN 4757601484。
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