日本プロ野球のオープン戦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/01 00:10 UTC 版)
「オープン戦」の記事における「日本プロ野球のオープン戦」の解説
日本野球機構管轄のプロ野球におけるオープン戦はレギュラーシーズン開幕前の調整試合として、春季キャンプ中の2月終盤から開幕直前の3月終盤までの期間で実施されており、NPBでの正式名称は「春季非公式試合」である。レギュラーシーズンはセントラル・リーグ・パシフィック・リーグの2リーグに分かれてリーグ戦を行っているが、オープン戦では12球団がリーグの垣根を超えて対戦し、順位も12球団での順位で発表される。 入場料は概ねレギュラーシーズンより安めに設定され、一部座席は解放しない場合もある。かつてはオープン戦は平日・土曜日・休日を問わずほとんどがデーゲームで行われていて、あまり集客のない試合が多かったが、ドーム球場が全国に誕生した1990年代頃からは、ドーム球場での平日の試合はナイトゲームで行われる(特に福岡ドーム開場後の1994年に8試合組まれて以降)場合も多く、4万人を超える観衆を集めることもある。2020年には、日本政府の新型コロナウイルス感染症対策の基本方針に沿い、2月29日以降の全試合が史上初の無観客試合として開催された。 公式戦との制度上の違いとしては以下が挙げられる。 レギュラーシーズンでは延長戦は12回まで行われるが、オープン戦では同点であっても9回で終了する。 レギュラーシーズンの出場資格があるのは支配下登録されている選手のみだが、オープン戦では支配下登録されていない育成選手でも出場することが可能である。 レギュラーシーズンではパ・リーグ公式戦とパ・リーグ球団主催の交流戦のみで採用されているDH制度を開催球場、チームに関わらず全ての試合で自由に使うことができる。セ・リーグのチームは、試合展開に左右されずに投手に登板機会を与え、野手にも少しでも多くの出場機会を作るためにオープン戦の序盤はDH制を採用することが多い。一方、開幕に近づくと、よりレギュラーシーズンに近い投手起用をし、先発投手にも打席に立つ機会を作るためにDH制を採用せずに試合を行うことが多い。そのため、セ・パのリーグを超えた対戦の場合、同じ試合で両チームのDHの有無が異なる場合がある。逆に交流戦初年度の2005年は、交流戦対策で一部のパ・リーグのチームがDHを採用しない試合があった。なお、DH制は1975年から導入されたが、現行のDH制は1979年からで、1975年~1978年はパ・リーグ所属チームの主催試合に限られていた(更に1975年はパ・リーグ所属チームの主催試合でも、相手がセ・リーグ所属チームの時はDH制を使えなかった)。 現在は公式戦開幕前に行われるのがほとんどだが、かつてはシーズン後の秋にもオープン戦が行われていて、秋のオープン戦が人気選手の引退試合となるケースも多数あった。現在でもオープン戦期間中に、前年限りで引退した選手が1日だけ選手契約を結んで引退試合が行われることもよくある。 メジャーリーグの開幕戦が日本で開催される年には日本開幕戦を行うMLB球団のオープン戦的な位置付けとしてNPB球団との試合が行われたり、ワールド・ベースボール・クラシックが開催される年にも日本を含めた出場国代表チームとNPB球団との試合があったりするが、これらはいずれもNPBのオープン戦としては扱われない。
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