日本への伝来と日本語訳
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『万葉集』巻5の山上憶良「沈痾自哀文」に『抱朴子』極言篇からの引用があり、早くから日本に伝わっていたことがわかる。『日本国見在書目録』にも道家に抱朴子内篇21、雑家に抱朴子外篇50が見えている。 和刻本としては元禄12年(1699年)、享保11年(1726年)、文化9年(1812年)のものがある。元禄12年本は明万暦12年(1584年)の慎懋官刊本をもとにして訓読を加えたものである。享保11年本も同様だが、元禄本には欠落があったため、修正を行っている。 近代の翻訳は『世界聖典全集』に内篇の翻訳(読み下し)を収めるのが古い。 『道教聖典』小柳司気太・飯島忠夫訳、世界文庫刊行会〈世界聖典全集〉、1923年。 戦時中の岩波文庫にも内篇の読み下しを収めるが、詳細な注がつけられており、現在も参照される。 『抱朴子』石島快隆訳注、岩波文庫、1942年。(のち復刊) 外篇の訳注は御手洗勝『抱朴子外篇簡注』(油印、広島大学中国哲学研究室、1965-1970)にはじまる。 中国古典新書の翻訳は、抜粋の読み下しと本文を対照し、現代語による解説を加えている。 『抱朴子』村上嘉実訳、明徳出版社〈中国古典新書〉、1967年。 現代日本語訳は本田済によるものが1969年に出版された。内篇については抄訳だったが、のちに平凡社東洋文庫に収められた版では完訳になっている。 「抱朴子」『抱朴子、列仙伝、山海経』本田済訳、平凡社〈中国古典文学大系 8〉、1969年。 『抱朴子』本田済訳、平凡社東洋文庫、1990年。(内篇・外篇1・外篇2の3冊) 角川書店(尾崎正治訳)のものは抜粋の本文・読み下し・口語訳・解説である。 『抱朴子、列仙伝』尾崎正治・平木康平・大形徹訳、角川書店〈鑑賞 中国の古典 9〉、1988年。ISBN 4045909095。
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