日本の食堂車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 14:01 UTC 版)
調理設備を備えた食堂車は時代とともに数を減らし、2000年に東海道・山陽新幹線「グランドひかり」での営業終了により乗客が予約なしで気軽に出向き注文をする形態が消滅した。以降、事前にみどりの窓口や旅行会社などでディナー券・食事予約券を予約購入する完全予約制の夕食時間帯を除いた本州対北海道間の寝台特急で残存していたが、こちらも2016年までに全廃された。 現在でも食堂車自体は存在するが、食堂車を連結し常時営業している列車は存在せず、ツアーによるパッケージも含めて乗車前に食事の予約が必要である。ただし、あらかじめ車外で調理されたものを電子レンジで加熱するなどした軽食を提供するビュフェ・カフェテリアの形態は、JR東日本の「サフィール踊り子」や近鉄の「しまかぜ」などでわずかながら存在する。 2013年には、JR九州ではクルーズトレイン「ななつ星 in 九州」運行開始にあたり、食堂車を新製した。食堂車の新造は14年ぶりである。また同列車と前後して、JR東日本「TOHOKU EMOTION」や肥薩おれんじ鉄道「おれんじ食堂」など、風光明媚なローカル線の車窓と食事を楽しむことを目的にした『レストラン列車』が各地で運行を開始するようになった。 他にも、調理室は設置しないが完全予約制として調理済み食品を搬入することで供食サービスを実施する『観光列車』が、JR東日本「きらきらうえつ」「越乃Shu*Kura」・しなの鉄道「ろくもん」のほか広島電鉄・樽見鉄道・養老鉄道・長良川鉄道・三陸鉄道・えちごトキめき鉄道・道南いさりび鉄道などで運行されている。これらの多くは主に地元産食材を使用した料理を提供するほか、有名シェフが手掛けた本格的コース料理を売りにするケースもある。 運行にあたっては市中の飲食店と同様に食品衛生法に基づく営業許可が必要であり、多くの場合は所属する車両基地を管轄する保健所から営業許可を取得する。
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